AI冷戦が始まったのか? ー 米国の早すぎる対応を見習う
先日、OpenAIで開発中のAIが誤って他社にサイバー攻撃をしかけたという衝撃的なニュースが流れましたが、米国の他のAI企業のHugging Faceは、このサーバー攻撃を中国製のZ.AIで防御したというこれまたショッキングなニュースが流れました。
オープンAIサイバー攻撃 防御は中国製に依存
7月25日の日経新聞は中国製のAIが米国製AIを性能で追撃しているとしてDeepSeek V4、Kimi K3などのAIサービスを挙げましたが、こうやって米中のAIが激しい開発競争を繰り広げている中で上記のアクシデントが起こった訳です。Huggin FaceはXでZ.AIに感謝しつつ「われわれはエージェント時代のサイバー攻撃の初日を目撃した。誰しも制限がなくオープンでパワフルな防御が必要だ」(意訳)と注意を喚起しました。
サイバー攻撃は企業の活動を止めるだけではなく、将来的には国家の動きも止めてしまうでしょう。その威力は戦略兵器並みです。しかも前触れもなく一瞬のうちに攻撃を完了してしまいます。その競争(攻防)がすでに始まったのだということです。この破壊的な攻撃をどう止めるか、また身内で(国内で)互いを攻撃して自滅するようなバカげたことをいかに防ぐかが重要ですね。これはまさしくAI冷戦と言っても過言ではないでしょう。
さて、ここからの米国の動きが素早く、ある面でらしさを感じます。
今回の騒動が起こった後、米政府はAIのオープン化を規制するキルスイッチ法案を進めるという動きを始めたようですが、それに対してまずNvidiaのジェンスン・フアンCEOが同じくXで7月24日に書簡を発表し、AIをさらに強く透明性のあるものにしてセキュリティを向上し防御力をも高めるには、今後のAIは同社が推進中のOpen Weights Modelsであるべきだと述べました。上述のZ.AIもOpen Weights Modelですが、学習済みAIをフリーで公開する動きです。そのポストに対してイーロン・マスク氏、サム・アルトマン氏、サティア・ナデラ氏、マーク・ザッカーバード氏などがあっという間に賛同の意思を表明しました。政府側ではなく企業トップ側がオープンな場で一瞬のうちに大きな動きに参集する様子はさすが米国だと感心しました。
さらに米国らしいファイティングスピリットを感じたのは、サム・アルトマン氏が賛同するポストの中で「米国がオープンソースモデルとプロプライエタリモデル双方でAIの分野で勝利することを望んでいる」と熱く語ったことです。Open Weights Modelsに賛同しない企業もあるでしょうが、最終的に米国がこの競争に勝つーその意思表示に奮い立った経営者やエンジニアも多いでしょう。
惜しむらくは同盟国の日本のAI関連企業の誰かしらがいち早くこの動きに参加(もしくは批評)してくれればなと思いました。