日本のアプリケーションの質の高さ
先日、国内某大手のソフトウェアベンダーと打ち合わせを行い、彼らが内製した大ヒット中のソフトウェアを拝見しました。当社が扱っているSugarCRMと同じ分野で、かつ、同じ言語で書かれているということもあり、頭の中で両者を比べてしまいました。
米国産のSugarCRMはアーキテクチャの素晴らしさが特徴です。拡張性を持たせるための仕掛け作りや新技術を取り入れるスピードについては米国を中心としたエンジニアたちの独壇場です。対して、日本のアプリケーションは徹底的に現場の使い勝手に目的を置く傾向があります。両方が備わって初めてアプリケーションは「完璧」なのでしょうが、日本のこだわりのレベルはあまりに高すぎて、米国のアプリケーションエンジニアはそのレベルに追いつけないのが実情です。対して、アーキテクチャやフレームワークにこだわると日本の使い勝手は実現しにくく、日本のアプリケーションはパッチワーク的な作りになりがちです。
ただ、21世紀は誰でもアプリケーションのフレームワークを作れるようになっており、そのレイヤでの差別化は不可能で、収益モデルも崩れてゆくでしょう。その上位に顧客を完璧に満足させる使い勝手が実現できて初めて勝負になるのが21世紀のソフトウェア産業でしょう。日本はフレームワークを自ら作るより輸入する方が早いため、外国産ソフトウェアの輸入大国になっています。世界中から優秀な「食材」(料理ではない)を輸入し加工するシェフの如く・・です。それらを使って自在に料理する腕前は日本のエンジニアの右に出るものはいません。
日本のアプリケーションの作りを見て、あらためて日本のエンジニアのこだわりや質の高さを実感しました。彼らの「料理」能力の高さはずば抜けています。SugarCRMのコミュニティメンバにこのアプリケーションを見せたら、彼らは腰を抜かすことでしょう。やや大げさですが、「日本のITは世界を制す」という本ブログのタイトルに誤りは無いと確信した次第です。