構造不況のITサービス産業をIT化する?
ITサービス産業市場はこのところずっと数%の成長率で、よく言えば成熟期、悪く言えば停滞気味です。といったことを数年前から各種ブログや昨年の早稲田ビジネスレビューに書かせていただきました。
最近になって「日本のIT技術者が尊敬されなくなってきた」とか、「巨大な内向き市場」といった悲観的な記事が相次いで見られ、この停滞市場に対するアラート音がより大きくなってきたように思います。
さて、近年、IT技術はサービス産業と密結合し、金融、書籍、音楽、映像、広告といった古参のサービス産業を「ワクワク感」のある面白い産業に変身させました。若者たちは敏感で、息苦しいITオンリーの産業に入るより、このような「IT化を進めるワクワク産業」にこぞって転進しているのでしょう。先日、ソフトベンダーからAmazonに転進し、さらにオープンソース業界に戻ってきた米国人とお話をしましたが、Amazonなどはそのワクワク産業の代表格ですね。
IT産業はなぜワクワクしないか?
ということを旧来のIT産業のビジネスのやりかたの中で考えても良いアイディアが出てこないように思います。単純ではありますが、「IT産業をIT化してみる」なんて角度から見てはどうでしょうか。例えば、IT化によって、旧来とまったく異なる開発方式や納品方式を実現し、コストを激減させるなど。オープンソースコミュニティによる開発や仮想化による瞬間デリバリー、マッシュアップなどはそのヒント、いや、顧客のニーズとして現実にあるでしょう。
そして、他のサービス産業の「ワクワク化」でもそうだったように、旧来の産業を変身させるのは部外者である可能性があります。オジャマ虫のように業界に登場し、あれよあれよという間に産業を変質させてしまうのです。
今日はとある方とこのようなお話を「現実の話」として議論させていただき、「時期は近い」と感じた次第です。