コマーシャルオープンソースへの投資は一段落?
»
Larry Augustinによれば、ここ数年、オープンソースベンチャーへの投資は以下のように急激に伸びていましたが、2007年Q1の勢いが前年並みとなったことから、オープンソースベンチャーへの投資は一段落したのではないかとのことです。
- 2004 $298MM 36 deals
- 2005 $306MM 41 deals
- 2006 $481MM 48 deals
- 2007 $100MM 11 deals (Q1のみ)
右図がその遷移グラフです。2000年前後には第二のRedHatを狙ってLinuxディステュリビューターへの投資が相次ぎましたが、この数年は明らかにコマーシャルオープンソースベンチャーへ投資が集中しています。投資のレイヤがよりアプリケーション層に移動したのですね。この間に投資したトップ13のVCのリストはここにあります。Larryは来年の年明けにMySQLがIPOすると見ており、その成果によって後続のVCが出てくる可能性もあるとのこと。
ところで、文中で彼は、VC各社はオープンソースベンチャーの中から「$1B」ヒット、すなわち、時価総額が1,000億円に達するIPOが出ることを期待していると述べていますが、私はその数はかなり少ないのではないかと思います。少なくともコマーシャルオープンソースベンチャーは、従来の知的財産のライセンスビジネスとは異なり、半分以上の知財を無償公開する動きを取ります。また、テクノロジーのコモディティ化によって、1社が世界を制覇してしまうことも無く、ライセンスも低価格化するので、バリュエーションは低めになるのではないでしょうか。
おそらく、「ヒット作」になり得るのは各分野で1社のみ。MySQL、SugarCRM、Alfresco、XenSourceなどでしょうか。
SpecialPR