小学生の社長の下で働けるか?
もしあなたの上司が小学生だったら? しかも、生意気なことにかなり優秀だったら?
普通は辞めちゃいたくなりますね。
しかし、ビジネスの国境が無くなった今、我々は実はこのような状況を進んで作り出すべきではないかと思います。日本では野球やサッカー、最近ではフィギュアスケートやゴルフなどの多くのスポーツ分野において、小学生や中学生レベルにまで裾野を拡げることに成功し、全体的な実力アップを成し遂げています。もちろん、これらは自然とそうなったのではなく、関係者の方々の地道で熱心な活動があったからだと思います。
ひるがえって、ビジネス界はどうでしょうか。
日本ではほとんどの方が高校や大学を卒業してから、突然のように(そして、あまり乗り気ではなく)ビジネス界に入ります。名刺の交換の仕方から製造、会計、営業、マーケティングなど、日々の作業の一つ一つがすべて「生まれて初めて」というケースも多いでしょう。
私が米国にいた時に大いに感心したのは、小学生や中学生が定期的にチームを組んで金儲けをしていたことです。これはCandy FundやCookie Fundと呼ばれ、自分たちの手作りのキャンディーやクッキーを作って売りまくってお金を稼ぐのです(たまに業者に発注する場合もあり)。そのお金は小学校やグループの活動資金に充てられます。
このような集金活動をFund Raisingといいますが、ご存知の通り、この用語はビジネス界ではスタートアップ時の資金調達の意味に使われます。
幼い頃には商学やビジネス戦略などの高度な知識は不要だと思いますが、カネの流れや用語を知り、金儲けの段取りを「体感」しておくことは非常に重要です。ほとんどの子供は大人になってからその知識を必ず使うわけですから。
ネットの普及もあって、今後は国の商業バリアがなくなって世界中の「ビジネス自慢」が戦いを挑んで来ます。我々もビジネス界全体の実力を上げなければなりません。
我々は進んでビジネスマン小学生を育て、いつの日か彼らが上司になったとしても決して妬むことなく、歓迎しなければなりません。