技術力からプロデューサー力へ
これまで、あちこちのブログなどに投稿してきましたが、このたび、オルタナティブブログに住居を移し、いろいろと発信してみたいと思います。
このブログの主題は「日本のITは世界を制す!?」です。おそらく、私が日本で初めて、いや、世界で初めてこんなことを言い出すのではないかと思いますが、もし他に同じことを叫んでいる方がおられましたら、教えてください。
が、もちろん(?)、主題通りにすべての話題が進行するわけではないと思いますのでご容赦を。
さて、平野さんのブログでは日本のIT産業の技術力を述べられていますが、私も以前、ソフトウェアの輸出入格差は、そのまま技術力の格差を表すのだと考えていました。すなわち、日本はIT技術の後進国である、と。
しかし、母校の早稲田大学ビジネススクールと共同研究を行い、すっかり発想を変えた見方に転じしました。その内容は早稲田ビジネススクールレビューの最新Vol.04号にて寺本教授・山本教授の共同執筆により発信されていますが、本ブログの標題の通り、日本のIT、もう少し正確にいうと、日本のITサービス産業は世界を圧倒的にリードできる位置にいるというものです。(p.114 「日本のITサービス産業は世界をリードせよ」)
ソフトウェアパッケージは、IT技術力のほんの一つの成果物に過ぎません。その輸入額が超過しているからといって、それが技術力の格差を指すものではないでしょう。資源を海外に頼る日本の製造業はほとんど輸入超過ですし、ハイテクや医薬などの先端産業においても、輸入はどんどん増えています。
日本で作らなくてもいいから輸入で済んでいる、とも言えます。ただ、ソフトウェアパッケージに関して言えば、輸入品で満足している顧客はほとんどいないのではないでしょうか。この件も上記の早稲田ビジネススクールレビューに掲載されています。すなわち、日本のIT産業はソフトウェアパッケージを資源として(荒削りなまま)輸入し、現場のSEが匠の技を以って加工し、高精度で高品質なITサービスに変換して納品しているわけです。
日本のIT技術力は、資源たるパッケージでは発揮しにくく、その上位のサービスで発揮できる「匠の技」なのでしょう。