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本ブログでは、中小企業診断士(コンサルタント)としての経験の中から得てきた「思考の技術」を中心にお伝えしていきます。これまでにも経営コンサルタントの方が書かれた書籍や記事は多くありましたが、言語化されていないノウハウはまだまだ存在していると感じています。ここでは、そういったコンサルタントの「暗黙知」をお伝えしていくことで、読者の皆様の成果に貢献していきたいと思います。

次に崩壊する「神話」はなんだろう?

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TVのニュースや新聞・雑誌の記事などで「○○神話の崩壊」という見出しを目にすることがあります。

この文脈において「神話」とは、もちろんゼウスとかイザナギといった神様の話ではなく「絶対不変のもの」といった意味合いを持って使われています。

たとえば1990年代の「土地神話の崩壊」は、「土地は常に値上がりしていく」という考え方がもはや当てはまらない時代が来たことを示しました。

また、かつて日本の治安の良さは世界一と言われていましたが、オウム真理教事件などの衝撃的な事件が続くようになり「安全神話」は崩壊しました。

また、「大企業は潰れない」という神話は、山一證券の破綻により否定されました。


このように、我々の生活の中では多くの「神話の誕生と崩壊」が繰り返されてきました。そして、そう考えていくと、現時点で「神話」と見なされているものの中にも、いずれ崩壊するものが出てくるのだろうなと考えられるわけです。


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次に崩壊する「神話」は?


「神話」が崩壊するとき、そこにはチャンスとピンチの両方が生まれます。たとえば、「安全神話」が崩壊したことでセキュリティビジネスが隆盛しました。一方で、ダイエーのかつての繁栄は「土地神話」の前提の上に立っていましたが、その前提が崩壊したことでダイエーも破綻してしまいました。

「この世に生き残る生き物は、最も力の強いものか。そうではない。最も頭のいいものか。そうでもない。それは、変化に対応できる生き物だ」
という名言がありますが(ちなみにこの言葉はダーウィンによるものとされていますが、今のところその明確な証拠はないそうです)、この「神話の崩壊」も対応していくべき「変化」の1つと言えるでしょう。

「今、どんな神話が存在しているのか」を自覚し、それが崩壊したときのために備えておくこと。それが、急速に変化する時代への対応力を磨くことになると思います。


しかし、「神話」は我々の中に無意識に根付いています。「神話」は、それが崩壊したときになって「あ、あれは神話だったのだ」と気づくものがほとんどであり、自覚することは容易ではありません。

そこで、ここでは「神話」をより自覚しやすくするための方法を2つ述べてみたいと思います。

①語り合ってみる
 1つは他者と意見を交換しあうことです。会社の会議でも勉強会、あるいは飲み会などで「今、どんな神話があるだろうか?」と話し合ってみることで、自分が思ってもみなかった意見が出てくるはずです。そうやって、意識しておくべき「神話」のリストがふえていきます。

②ググってみる
 もう1つは、検索してみることです。たとえば「神話 崩壊」でググってみると、様々な「神話」が出てきます。

「mixiの安全神話崩壊」
「キムタク神話崩壊?」
「メイド・イン・ジャパン神話崩壊!」

などなど...これら検索結果を眺めていくだけでも「神話」を探すヒントになると思います。


私も、特に①は研修や勉強会でよく行っています。他者と意見を出し合っていくと「それ、あるある!」というものが多く出てきますし、私自身思いもつかなかったような意見が多く出てきます。強くオススメしたいディスカッションテーマの1つです。
(なお、会社では「自分達の業界にある神話はなにか?」を話し合ってみるのがよいかも知れません。「神話」は業界とか組織といった単位でも存在しているはずです)


最後に、「神話」をgoo辞書(大辞林)で引いてみると以下のように出てきます。

しんわ 【神話】
(1)古くから人々の間に語り継がれている、神を中心とした物語。
(2)宇宙・人間・文化の起源などを超自然的存在の関与の結果として基礎づけ、説明した話。神聖な真実として信じられ、日常生活の規範として機能することもある。
(3)人間の思惟(しい)や行動を非合理的に拘束し、左右する理念や固定観念。


「神話」はときに「人の思考や行動を非合理に拘束し、左右」します。そして、(ダイエーのように)それはときに望ましくない結果を生み出します。

先述した①&②などの方法を通して自分の周囲に存在する「神話」を見つけ、その拘束から自由になることで「生き残る人や会社」に、ぜひなっていってください。

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