「ピンチをチャンスに」って具体的には?
景気の後退がより深刻化するなか、企業のマネジメント層からは「ピンチをチャンスに変える」という発言が目立つようになってきました。先日も、とあるベンチャー企業の社長の集まりで、「ピンチをチャンスに変えていきたい」との発言があったので、「御社では具体的にどのような点でピンチをチャンスに変えていくんですか?」と聞いたところ、「具体的にはまだわかりませんが、皆さんおっしゃっていますよね!私も、ピンチには絶対チャンスがあると思います!」と元気の良い返事。いや元気なのは良いんですが。。。この例だけでなく「ピンチをチャンスに」と言いながら、実際には具体的に考えられていない例が結構あるような気がしています。
私も今年を「行動の年」と位置づけていて、この荒波の中どうチャンスをつかむかということをいつも考えていますが、ざっと挙げても不況には以下のようなチャンスがあると思います。
問題点を把握するチャンス
営業成績が厳しくなると、好調のときには見えなかった(隠れていた)問題が見えるようになります。
古い慣習、慣行を破るチャンス
不況時は、それまで変えたいと思っても変えることのできなかった慣習や慣行を破るチャンスです。
自分の実力を知るチャンス
好況の時の良い結果は自分の力以外の作用も少なくありません。不況の時にこそ、自らの実力を知るチャンスです。
人材を育成するチャンス
好況の時は、日常の仕事に忙殺されますが、取引先やお客様の活動が減少するなら、その時間を人材の育成にあてるチャンスです。
コミュニケーションを深めるチャンス
常時はそれぞれ別のミッションを持っていても、不況の時には、それをどう乗り切るかという同じベクトルで、コミュニケーションを深めるチャンスです。時間が増えるならなおさら。
採用のチャンス
不況においては大企業の求人が極端に減少すること、多くの企業でリストラが行われることからベンチャーでは優秀な人材を獲得するチャンスです。
買い物のチャンス
好況時には、高くて手が届かないようなものが、不況においては手が届くようになることがあります。ただ、この不況においては「Cash is King」。使い方は慎重に。
「ピンチをチャンスに変える」にも、気持ちだけでは何も起こりません。行動してこそ始めてチャンスをつかむことができるのです。