「自分を磨く場所は会社の中だけじゃない」を読み違えるな
先月、@ITの自分戦略研究所に「自分を磨く場所は会社の中だけじゃない」という記事が掲出されました。内容はオープンソースプロジェクトへの参加で腕を磨いた人たちの座談会です。
先日、とある懇親会で、この記事の話題となり、あるエンジニア職の人曰く「今の会社では自分を磨くところが全くなくて、この記事を読んで、自分もオープンソースプロジェクトに参加して腕を磨いてみようかと思いました」、「会社だとプログラムミスは減点評価になるけれども、オープンソースだと直してもらえるので勉強にもなって得ですよね。」
私は、「今の会社で全く自分を磨くところがないのであれば転職してはどうですか?」と言いました。というのも、会社というのは自分の時間をもっとも多く使う場所ですから、その場所で自分を磨けない(と認識している)のであれば、とても不幸なことだからです。自分を磨く=成長を意識していない人には、ここまでいう必要はありませんが、少なくとも成長を意識している人が働く場所は、その仕事において自分が成長できる場所であるべきです。
また、「自分を磨く」ということは、本人の意識次第で多くの環境で可能なことです。さまざまな経験は、(それがイヤなことであろうとも)自分の糧になることは少なくありません。過程を経ず「腕」という結果だけを追い求めても、現実にそんなことは不可能です。
さて、何を言いたかったかというと、この記事は決して「自分を磨く場所は会社の中じゃない」と言っているわけではなく、「自分を磨く場所は会社の中だけじゃない」と言っているということです。会社の外に逃避しようと言っているわけではありません。人間、隣の芝生が青く見えがちですが、自分を磨くということは場所から与えられるものではなく、自分自身の行動によってのみ得られるのです。