日銀がXBRLの本番稼動を開始
2月8日、日本銀行がXBRL(企業財務情報のXML標準規格)によるデータ収受の本番システムでの稼動を開始しました。
日本銀行のプレスリリース(2006年2月8日)
いまのところ、昨日のプレスリリースをカバーしている媒体は無いようですが、これはXML的な視点だけではなく、社会における企業財務情報サプライチェーンの構築という点でも歴史を刻むニュースです。まあ、日銀担当の記者は金融専門の方が多く、情報システムのことにはあまり興味がないのかもしれませんが(笑)。このシステムは、2003年から3期にわたって各金融機関との間で実証実験が続けられてきたもので、公的機関としては東京証券取引所、国税局につづいての本番稼動となります。なお、システムの内容や、日銀がXBRLを導入する理由については、以下のファイルに詳しく記載されています。
今回、対象となるのは日本銀行と直接取引きのある金融機関に限定され民間企業には直接的には影響がありませんが、各銀行でのXBRL対応が進むことにより間接的に各企業へのXBRLの普及にも拍車がかかることでしょう。
このほか、XBRL関連の最近の動きとしては、東京証券取引所が広報誌「Exchange Square」最新号(Vol.17)でXBRL特集を組み、上場企業へのXBRLの普及を推進しています。
※このページからのリンクでXBRL特集のページをPDFで見ることができます。
この特集は、18ページに及ぶ渾身の記事で、東証における取り組みだけでなく、金融庁や国税庁の寄稿あり、銀行や民間企業の事例ありで、企業や社会における価値にも言及し、私の知る限り現時点で日本のXBRLの現状をもっともうまくまとめた秀逸な内容となっています。(広報誌は500円で購入可能)
日銀、東証、こういった公的な機関(実は両方とも独立の会社ですが)の話は、一般的にはルーチンワーク的なイメージがあり、数値的なことや事件的なことしかニュースとして聞こえてこない傾向がありますが、社会を変えて行きたいと使命感に燃えて新しい分野に実際に取り組んでいらっしゃる人々と接するとその志の高さに頭が下がる思いがします。
インフォテリアでも、こういった動き、これから顕在化するであろうニーズに少しでも役立つべく既に製品での対応をすませていますが、こういった公的な機関での適用の進展を背景に、さらに多くの製品・ソリューションでのXBRL対応が進むことでしょう。