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XBRLとNewsMLがいよいよJISに制定

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xbrl-jis-400 この7月20日、XBRL (eXtensible Business Reporting Language)とNewsML (News Markup Langauge) がいよいよJIS化されました。

 JIS規格の番号は、XBRLがJIS X 7206でNewsMLがJIS X 7201 。いずれもXMLベースのデータ仕様(ボキャブラリ)で、今回JIS化されたことで、これらの仕様の政府関係機関、自治体などでの利用が加速するでしょう。(JIS仕様が無償で公開されない課題は残っていますが。。)※「追記」を参照

 XBRLは、企業の財務情報をXML形式で記述するもので、すでに東京証券取引所や国税局でも使われており、今後は銀行や監査法人などでもXBRLによる受け入れを行うようになるため、数多くの企業がXBRLでの財務諸表の作成を行うことになるでしょう。(解説はこちら) 今回JIS化されたのは、XBRL 2.1という最新の基本仕様で、用途別に作られるタクソノミは含まれていませんが、XBRLの基本仕様がJIS化したことで、国内のタクソノミ開発や普及にも弾みがつくことは間違いありません。

 NewsMLは、ニュース報道情報をXML形式で記述するもので、共同通信や毎日新聞をはじめ多くの報道機関での採用が進んでいます。これはもともと英国に本部を置くIPTCが標準化したもので、国内では日本新聞協会を中心に普及活動が行われています。(解説はこちら)NewsMLはXBRLに比べると、関係の業界以外ではあまり使われないかもしれませんが、国内の報道インフラを支える重要な技術となっています。

 「最近はXMLって聞かなくなっちゃいましたね」などという話を聞くこともありますが、それはXMLが本当に普及してきたからであって、XMLが使われなくなっているのではありません。XBRLやNewsMLのように産業のインフラに貢献するようなものから、ポッドキャスティングやオフィス製品ような身近なものまで、インターネットはもうXMLなしでは語れなくなってきています。

[2005/07/23 追記]

 メカニカさんから、当該JIS規格がJISC(日本工業標準調査会)からPDFにて無償で「閲覧」可能であるとの指摘がありました。ありがとうございます。

 JISCでの閲覧については、以前他の人からも教えてもらったことがありますが、これはダウンロード禁止であり、また直URLリンクできないようにされています。これを無償公開と言うのであれば、XBRL Japanを通じてXBRL Internationalが強く希望した無償公開を拒まれたという事実と齟齬することになります。私の主張は、JISという公的な規格を無償で自由に配布、再配布できるようにすべきだということです。著作権を持つことや、印刷代を取ることを否定しているわけではありません。

 ただし、PDFで閲覧できるだけでも価値は高いので、メカニカさんから教えていただいたJISCのURLを以下に付記します。ここから「データベース検索」カテゴリの「JIS検索」を選んで、「規格番号からJISを検索」のところに「X7201」とか「X7206」と入力するとPDFの閲覧が可能です。このサイトのこの機能、もっと広く告知すべきですね。

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