ドイツから来た軽快なOSはZETA! ZETAは先進的設計でOS界を席巻したBeOSの子孫だ!
ということで、ZETAのお話の続き。インストールして使ってみました。
とりあえず最新PCにインストールしてみるゼぇぇ!
インタビューで「最新のマシンだとちょっと難しいですね」という話を聞いていたので、とりあえず最新のPC(Pentium D/2.8GHz、i945G、SATA搭載)にインストールしてみる。こいつのスペックは表1だ。
結果はというと、まず、シリアルATAは正しく認識してくれないようで、インストーラー起動時にディスクドライバの読み込みで止まる。ちなみに、ZETAはOSの起動時に今どの作業をしているか(ハードウェアの初期化とか、プロセッサーの検出だとか)をアイコンで表示してくれるので、このようにエラー発生時でも問題の確認は比較的やりやすい。
次に、BIOSでシリアルATAをIDEモードに設定してみた。この設定ではインストーラーは正しく起動し、インストールも完了できる。また、すでにほかのOSがインストールされているマシンだったので、ZETA標準のブートマネージャは使用せず、GRUBからチェーンロードさせることにした。こちらも問題なし。システムも正しく起動した。
が、グラフィック(945G内蔵グラフィック)は正しく認識せず、内蔵のギガビットイーサネットインターフェイスも利用不可。そのため、デフォルトではVGA、8ビットカラー(256色)画面でしか利用できない状態である(図1)。
ただし、VESAConfigというツールで設定後、再起動することで、ネイティブなドライバを利用せずともXGA、65536色モードでの利用は可能だ。また、USB2.0対応の一般的なUSBメモリは利用できなかったが、USBマウスは問題なく認識し、ホイールによるスクロールも行えた。
ちょっとこの環境でいろいろなアプリケーションを触ってみた。動画を再生しながらも他の作業を平行して安定して行えるという話を聞いていたが、ちょっとみた感じではサンプル動画などは見つからなかった。そこで、とりあえず代わりにGLTeapotを動かしながらいろいろなアプリケーションを実行してみたところ、確かに安定している。GLTeapotのFPSを見た感じでは、ほかのアプリケーションが作業をしているときはちゃんとGLTeapotのFPSは落ち、していないときは上がる。また、環境設定などでハードウェアにアクセスしているときなど、ちょっとそのウィンドウの中身の反応がなくなることはあっても、ほかの部分はまったく問題なく動いている。しかし、そのような場合でも、たとえばマウスカーソルが砂時計になる、といったインジケーターのようなものは表示されないので、アプリケーションが動いているのか落ちているのかわからず、不安ではある。
また、ドラッグアンドドロップによるソフトウェア間の連携も秀逸だ。たとえば、画像ビューアーで範囲を選択して、それをワープロソフトのウィンドウにドラッグアンドドロップすればその部分がペーストされる(図2)。まだ確認はしていないが、動画などからのドラッグアンドドロップによる貼り付けなども可能らしい。
ただ、システムは起動したものの、ネットワークが使えないこの環境での実用はちょっとつらい。そこで、今度はVMwareへのインストールに挑戦してみた。
表1 インストールテストに使用したPC1
構成要素 | スペック |
---|---|
CPU | Pentium D/2.8GHz |
メモリ | 1GB |
HDD | 250GB(シリアルATA接続) |
マザーボード | MSI 945G Platinum |
チップセット | Intel 945G |
ネットワーク | Intel 82573搭載10/100/1000BASE-T |
グラフィック | 945G内蔵 |
懲りずにVMwareにインストールしてみる
使用するマシンは先ほどのPentium Dマシンで、ホストOSはFedora Core 4、VMwareのバージョンは4.5.2だ。なお、VMware 4.5.2はFedora Core 4には非対応なため、ユーザーの手で公開されているパッチを利用して動かしている。
VMwareのゲストPCは、Windows Meを選択、HDDはSCSI接続、メモリ384MBという仮想環境を作成しインストールを試したものの、インストーラーの起動で失敗し不可。デバイスは認識いるが起動スクリプトで失敗している、というような感じなので、設定をカスタマイズすれば利用できるのかもしれないが、残念ながら今回は諦めた。
しょうがないのでレガシーなPCにインストールしてみる。
以上、すでに2回失敗しており、手元にはあとPentium 4/1.8GHz、Intel 815チップセット搭載マシンと、Celeron/533MHzマシンの2台しか残っていない。しかし、Pentium 4/1.8GHzマシンは自分のメイン仕事PCで、今回のような実験的用途には使いたくないため、Celeron/533MHzマシンにインストールを行った。さすがにこちらは枯れたPCであるので、とくに問題も発生せずインストールは完了、ハードウェアもすんなり認識。ただし、軽いと言われているZETAでも、さすがにこのマシンではちょっとつらい環境ではあるようで、インストールに30分程度、システムの起動には30秒程度かかっている……。本当にこの環境で快適に使えるのだろうか。
to be continued...