オルタナティブ・ブログ > 路の上で >

日頃考えていることをぽちぽち書きます。

Next generation of CarPlayを調べてみたら、アーキテクチャがわからない

»

2022年に発表され、いまだに車両が出てこないNext generation of CarPlay (次世代のCarPlay)、今までのようなIVIだけでなくクラスターディスプレイまでCarPlayの範囲に入っています。僕はいまだに車もバイクも従来のCarPlayですらありませんが、興味深いので車(もしくは車載機)側の対応を調べてみたところ...
おそらく、詳細はMFiを契約しないと開示されないと思いますが、それにしても曖昧な情報しかありません。

今回のWWDC24で新たに公開された解説映像は以下の2本。
Meet the next generation of CarPlay architecture
Say hello to the next generation of CarPlay design system

最初の方に、僕の知りたい情報があるはずと期待しましたが、よくわかりません。まず、Next generation of CarPlayはWi-Fi接続のみだそうです。画面は、ディスプレイ毎に4つのプレーンにわかれていて、うち2枚(Overlay UIとPunch-thorough UI)は完全に車載機側の描画。残る2枚のうち1枚(Remote UI)は従来のCarPlayと同じで、iPhoneで生成した映像を車載機側で表示するもの。最後の1枚(Local UI)がおそらく今回の特徴で、スピードメーターのような応答が重要でWi-Fiが切れた時も描画できるように車載機側で描画するものの、Appleの仕組みの範疇だそうです。フォントはバリアブルフォント一種類に対し、表示のレイアウト等の自由度は高く、これの説明がもう一本の映像のようです。スクリプトレベルなのかプログラムレベルなのかわかりませんが、事前に生成し、車載機に導入するものと思われ、そのため一度接続したことがあれば、次は直ちに表示される、ような説明がありました。そもそも、誰(人やプログラム)がどこ(開発環境とか、車載機/iPhoneとか)で何するのか、一切語られず、非常にモヤモヤします。
Next generation of CarPlayに対応した車を購入し、初めて使用する時、iPhoneにその車のプログラムでもダウンロードし、それが車に転送されるのでしょうか?

The Vergeの以下記事もわからない、と書いています。僕の説明よりは遥かにまとまっていますけど。
Apple's fancy new CarPlay will only work wirelessly

そもそも、ここまでの複雑な仕組みで、車メーカーとして何が嬉しいのか、わからない。僕は、てっきり、Telltaleを表示するOverlay UIのようなものを除くと、すべてiPhone側で生成する映像と思っていました。すると、車載機側の負荷はかかりませんし、iPhoneが進化したら表示も進化できます。おそらく現実のリアルタイム性や接続が切れた場合を考えて、今の形になったのでしょうけど、メリットも非常に弱くなったと思います。

確か、ProscheとAston Martinが残っていたと思いますが、本当に出てくるでしょうか。

Comment(0)