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AppleのApp Store課金への批判の多くはアプリ内支払いだった

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古くはEpic Games対Apple訴訟でも争われてきた、Apple App Store。Appleの独占はもう無いだろうと思っていて深く調べなかったため、先週になって主たる争いの場はアプリ内支払い(in-app purchasing systems)であることを知りました。確かにアプリ内支払いさえなんとかできれば、アプリ本体は無料にしても良く、本質的な問題ではありません。

先々週8月26日は、Appleがディベロッパーと和解に至ったと発表していました。
Appleと米国のデベロッパが、ビジネスをサポートしながらユーザーの素晴らしい体験を維持できるApp Storeのアップデートに合意
Appleは素晴らしい変化のように書いていますが、ほとんど今までと変化はなく、実質的な変化は以下のみ。

デベロッパがさらに柔軟にお客様に到達できるようにするため、Appleは、デベロッパがメールなどのコミュニケーションを使ってiOSアプリケーション以外の支払い方法に関する情報を共有できることも明確にしています。

これすら、アプリ内でApp Store以外の支払い方法を告知できるわけではなく、大した変化はありません。

すると、先週に韓国で同様なことを禁止する法律が制定間近になりました。
Google, Apple Hit by First Law Threatening Dominance Over App-Store Payments
このThe Wall Street Journalの記事によると、韓国国会が問題にしたのも、まさにアプリ内支払い。こちらは、上記和解のような手段では駄目で、素直にApp Store以外の支払いをアプリ内でも許す必要があるようです。

さらに、先週もうひとつ、Appleから次の発表がありました。
日本の公正取引委員会によるApp Storeの調査が終結

「リーダー」アプリケーションのデベロッパは、ユーザーがアカウントを設定または管理できるように、アプリケーション内に自社ウェブサイトへのリンクを含めることが可能になります。

これまた一歩進んだ感じですけど、なぜ一歩一歩なのでしょうか?
嫌々な感じ。せめて、「リーダー」だけでなく、あらゆるアプリ内から複数の支払い方法を選択できるようにすべきだったと思います。また、マスコミはやたら"Apple税"を言っていますが、それだけでなく、ユーザーと直接繋がることの効果もあります。一方、App Storeの仕組みは、小規模な企業や個人開発者にとっては非常に有効。App Storeしか許さなかったAppleが良いわけはありませんが、App Storeの効果を否定する必要もありません。

去年、Epic Gamesから訴訟を起こされたときに書いたように思いますが、Appleは支配者であり、自由にできる領域がますます狭まっています。このまま放置すると、法律や訴訟で望まない方向に持っていかれるだけ。複数のApp Storeを利用可能にして、それぞれのApp StoreをAppleが認証するとか、Macに近い方式でアプリはどこからでも導入できるがApple証明書のついているアプリケーションしか実行できないようにするとか、先手を打つべきです。

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