Alan Turingの恩赦
昨年末に、Alan Turingの死後恩赦が発効したそうです。彼は今のコンピューターの礎を築いた一人で、IT関係の仕事をしているならば、ぜひ知っておきましょう。例えば、Wikipediaの記事をどうぞ。
当時のイギリスでは同性愛が罪だったそうな。2009年には当時の首相、Gordon Brownが正式に謝罪しています。そして、2012年に恩赦の法案が出され、今回正式に成立したとか。
しかし、彼が逮捕されたのは1952年。しかも、当時の正式な法律に基づく正式な処置。これ以外にも歴史的な事件で、今の常識でおかしなことはいくらでもあります。事実、名誉回復の請願には、2011年当時の法相が拒絶しているそうです。(ここまで、いずれも上記Wikipedia記事による)
The Guardian紙の記事、Enigma codebreaker Alan Turing receives royal pardonを見ても、例外的な適用であることや、賛否あることが書かれています。
60年はまだ歴史にはなりきっていない微妙な期間。ローマ教皇がGalileo Galileiに対する裁判の誤りを認めたのは、350年以上たってから。当時の裁判にいろいろ問題はあったようですが、どう見ても歴史です。一方の当事者は存続しているのが理由かな?
恩赦の直後に、安倍首相の靖国参拝があり、考えさせられました。
最後に、まさにTuringの名前が使われたノンフィクションがあります。原題は"Turing's Cathedral: The Origins of the Digital Universe"、日本語訳は「チューリングの大聖堂 コンピュータの創造とデジタル世界の到来」。主役はvon Neumannですが、彼もタイトルになるくらい重要な役割で出てきます。