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経済産業省の次世代テレビ提言

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2月28日に経済産業省が次世代テレビのあり方について施策提言を発表しました。5年後のテレビのあり方や、今後の関係者の取組についての提言だそうです。
その117ページの「次世代テレビに関する検討会」報告書を読みました。検討会での個別の意見は妥当と思えるし、本検討会を取りまとめた角川アスキー総合研究所 所長 遠藤 諭氏の最後の8ページの総括はさすがに素晴らしい。しかし、なぜか提言は平凡かつ現状維持で、全く面白くない。

もはや従来の狭い意味のテレビが、ハードウェアとしてのディスプレイに表示される割合は相当に少ないはず。broadcastingが無くなることは無いが、もはや主役ではない。5年は近いようで、意外と長い。テレビは、ハードウェアとしては単なる大型ディスプレイになっているのではないでしょうか。それに表示するコンテンツは、放送、Internet等いろいろなメディアから来ます。提言では、テレビの役割の一つとして、緊急放送があったが、それすらもはやケータイの役割でしょう。4K/8K? 確かに技術は進歩するし、見る環境があれば映像体験は大きく改善するでしょうが、それだけ。

つまり、次世代テレビと言うか、ディスプレイとしてあるべき姿は、ディスプレイに徹すること。それにいろいろな機器を接続して映像を楽しむこと。これからますますコンテンツの進歩は速くなるでしょうから、ハードウェアとしてのディスプレイに組み込むことは考えない方がいい。提言にも「パネルと情報処理部分のアンバンドリング」、「将来はテレビがパネル化」として書かれています。ここまでわかっていたら、新しいサービスや技術が生まれるのにまかせ、余計な規制を撤廃したり、既存の法律が足りない所を補う方向にすることが国の役割と思います。「ビッグデータの活用」なんて表面的なことではなく、国として進めることを提言してほしい。

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