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いよいよスマート家電がでてきた?

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ひとくくりにスマート家電と言うのも何ですが、ちょうど先週、2つのメジャーなメーカーから発表が有りました。

ひとつは、Androidを使用したコンパクトデジカメ、Nikon COOLPIX S800c (ITmediaの紹介記事)。
メディアプレーヤーがスマートフォンに収斂されて行ったように、コンデジの少なくとも一部がそうなるのは当然です。その中で、まずNikonが出して来たのが興味深い。
しかし、カメラが立派なだけであり、融合したAndroid側の工夫はまだ弱い印象です。
さらには、今さらのAndroid 2.3.3。INTERNET Watchの記事によると、OSのバージョンアップは無いそうです。S800cはデジカメではなく、立派なカメラ付きPDAもしくはIT機器と言うことをNikonはわかっていないのでしょう。IT機器には不具合がつきものです。特にネットワークに接続できる場合、セキュリティ上の不具合に対応することが提供者側の義務と私は認識しています。コンデジの一般的な商品使用期間を知りませんが、少なくとも2年程度はIT機器としてのソフトウェアのメンテナンスは必要と思います。
さらには、アプリについても今回一発だけでなく、継続して進歩・追加していることが望ましいですが、Nikonはそこまで考えているでしょうか。

もうひとつは、パナソニックが発表したスマート家電。すでにPanasonic Smart Appなるページが用意されています。また、ITmediaの記事もあります。
複数の対応商品が発表され、エアコンだけは直接ネットワークに接続。冷蔵庫、洗濯機、レンジ、炊飯器、体組成バランス計などはFeliCaもしくはNFCからスマホ経由。つまり、エアコンは、上のS800cと同じく、IT機器と同等のサポートが求められると考えます。
各機能を見ると、まだ買い替えるような魅力は少ないと思います。家の外からコントロールできるのはエアコンのみ。もちろん、今回の他の機器を外からコントロールする必然性はほとんどなく、結果として、便利なリモコン程度に止っています。レシピは一見良さそうですが、その機器だけ使う訳じゃないし。「冷蔵庫に入っている食材を選んでレシピが検索できる」そうですが、まさか自動的に食材を認識するのではないでしょうから、あまり便利そうに見えません。複数の調理機器の連携をコントロールしてくれると進歩した印象を受けるかもしれませんが、それほど簡単に実現できることではないでしょうし。唯一、体組成バランス計は記録をつけるには便利ですが、NFC等の近接通信ではなくて、他社商品のようにBluetooth程度にしてほしかったと思います。いちいちスマフォをタッチするのは面倒です。
要約すると、がんばっていますが、実現した機能に無理矢理感が漂います。他社のケータイまで対応しているのですから、本当にがんばってます。でも、今後も継続できるのでしょうか。
また、大きな機能として訴えるからには、商品寿命の間はサービスを続けるべきです。今回の商品だと10年くらいでしょうか? その間はスマートフォンその他端末の進歩に追従するだけでなく、ソフトウェアやサービス的な機能の追加くらい考えてほしいです。過去の日本の電機メーカーは、サービスをプロモーション用程度にしか考えておらず、サービスをあっという間にやめてしまう傾向がありました。パナソニックはどうでしょうか。

両社とも早く取り組んだということは、それなりに考えたことと思いますが、端緒のためなのか、取り組みが及び腰なのか、まだならではの魅力が弱いです。既存商品を使用している一ユーザーとして、両社の継続的な開発に期待しています。

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