スマートフォンOSの儲け方
少し前になりますが、株式会社ACCESSが人員削減等を発表した理由のひとつが「無償プラットフォームソフトの急速な台頭により ACCESS Linux Platform事業における収益計上が困難」でした。ACCESS社はPalm OSを開発していた旧PalmSource社を買収し、Access Linux Platformとして開発していました。無償プラットフォームは、言うまでもなく、Androidでしょう。
以前に無料の怖さとして、無償ソフトウェアが有償ソフトウェアの事業に影響することを書きましたが、ACCESS社もまさに影響を受けてしまったようです。
改めて整理すると、スマートフォンOSの収益を得る方法に3様あります。
1. OS自体で収益を得る: Windows PhoneやAccess Linux Platform
2. OS自体は無償で、サービスで収益を得る: Android
3. OSは端末と一体で収益を得る: iOSやwebOS
もちろん、分類はこれに限らず、例えば、Symbianは以前は1.でしたが、オープンソースになって以後はどちらかと言えば3.に近い形と考えられます。
さて、これらを比較すると、今の状況下では、ビジネス的に厳しいのは1.のOS自体で収益を得ることと思います。3.に比較すると端末の特徴を出しにくいのにも関わらず、有償であるからです。端末で勝負するならばOSから開発する方が特徴は出せますし、値段で勝負するならば無償OSを選択するでしょう。ただし、3.にはOSの開発費、2.には価格競争による利益率の低さ等の懸念はあります。
もちろん、どれかが一方的に有利ということはなく、収益の結果に依存するのは変わりません。
以前は3.であったNokiaはWindows Phoneを選択し、1.の方向に変わったわけですが、どうなるでしょうか。