オール電化住宅と電力不足
小沢 仁さんの記事で紹介されていた読売新聞の記事、
オール電化住宅、普及裏目…原発2基分の消費増
の意味がわかりません。書かれていることはおおよそ事実でしょうが、だから何なのでしょうか? 事件でもないことを事実だけ伝えられても判断に困ります。「急速な普及策が裏目に出た」とは、何のことでしょうか。
この記事から、今回の震災に伴う電力不足でオール電化住宅に対する偏見が生まれていることを危惧しました。我が家はオール電化住宅ですので、少し説明したいと思います。
今回の関東の電力不足は、使用電力の多い昼間もしくは夕方に発生する可能性が高いことをご存知でしょう。今は夜間は対象外ですから、オール電化住宅だけで貢献できることはありません。
オール電化住宅の通常の住宅の最大の違いは、夜間電力でお湯を沸かし、それを昼間に使用することです。コンロがIHやヒーターであることや、エアコンだけであることは、オール電化でなくとも単身世帯のマンションとか多くありますね。
東京電力が公開している電力の使用状況グラフを見るとおわかりいただけますが、昨年のレベルでも夜間電力は今の供給可能電力以下であり、夜間は今のところ問題ではありません。問題は計画停電を実施している昼間であり、昼間の電力使用はオール電化住宅の特性ではありません。
参考までに我が家の数値を示すと、昨年の4月は、夜間(23時から7時)は269kWh、朝晩(7時から10時と17時から23時)は144kWh、昼間(10時から17時)は40kWhでした。昨年の8月は、それぞれ128kWh、129kWh、68kWhでした。この3種類の時間帯は東京電力の「電化上手」なる契約種別で決まっています。
夜間のほとんどはお湯を沸かすことと思われますが、8月の方が少ないのは、暖かいので沸かす量が少ないからと考えられます。
ということで、他のことを含めて単純に何かひとつに原因を言うのは難しいと思います。皆さん、一緒に節電しましょう。
最後に、
オール電化住宅の夜間電力消費は、ベース発電である原子力発電を前提としています。そのため、原子力発電の今後の方針に影響されますが、目の前の電力不足の話とは異なります。