「交互設計之路」
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拙訳「交互設計之路」(中国語版)が出版されました。「交互」というのは、インタラクティブの意味。
本書の原著者は「VBの生みの親」と称されているAlan Cooper。Cooperはシリコンバレー、またはソフトウェア業界においても異端児的な人物である。
本書はCooperが独自に確立したインタラクティブデザイン手法、ゴールダイレクテッドインタラクティブデザイン(GOAL-DIRECTED® Interactive Design)を紹介している。既存のソフトウェア製品やデジタル製品の使い難さを指摘するのに留まらず、実例を交えてその手法の有効性を実証した。極自然的だと思っていた製品が彼の手法の適用によりマジックのように使いやすさが劇的に変わる。
彼の手法を適用するには、インタラクティブデザイナの職を設ける必要がある。インタラクティブデザイナは製品の使用者(パルソナという呼び方をする)の立場に立ち、パルソナの目標を理解し、使用シナリオを描いて製品の振る舞いを設計する。
Cooperはあくまでも、開発開始前に設計を済ませるべきだと主張している。ただ、彼がいう設計は普通に認識されているソフトウェア設計ではなく、製品設計そのものである。ソフトウェア開発においての製品設計の必要性はなかなか業界の関係者に理解されない。Cooperと(ソフトウェア)設計と開発を交えるアジャイル開発プロセスの代表であるXPの創設者Kent Beckとの論戦「Extreme Programming vs. Interaction Design」は興味深い。
因みに、この本の日本語訳は「コンピュータは、むずかしすぎて使えない!」である。
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