【読み直してみた】2011年に書いたソーシャル人脈術の本が手前味噌ながらおもしろかった。
最近、家の部屋替えに伴う整理整頓をしている中で、何気なく手に取った、わたくしが単著(共著じゃないという意味です)で出版した最後の本、『好きな人、いい仕事だけを引き寄せる!営業いらずのソーシャルメディア人脈術』が、意外におもしろくて読んでしまいました。もう5年も前の本になります。
このころはまだ文具のイベントを始める直前で、「名刺の専門家」「小さな会社のソーシャルメディア活用の専門家」という感じの肩書きで活動していました。ですから、文具関係の人脈は「ほぼなし」だったわけです。
そしてあれから5年。自分で本に書くくらいですから、自然と自分でも実践してきた「ソーシャルメディアを活用して、文具業界をイベントから盛り上げる旗振り役」というミッションが、おかげさまで少しずつ実を結んできました。
本に書いたこと、地道に実践できているという安堵感と、もっとできたはずという反省を覚えながら、片付けの最中に一気読みしてしまいました。
冒頭のあいさつを引用します。(会社にいけば原稿があるのですが、休日なのでわざわざ打ち込みましたw。)
はじめに
世の中には「ソーシャルメディア、めっちゃ使える。楽しい!」という人と、「あんなの暇人のするものだ。何が面白いのか全然わからん」という人がいます。どう思おうがもちろん自由です。わたくしはブログもツイッターもフェイスブックも大好きなので前者の立場ではありますが、それでもミクシィやグリーのゲームに長時間ハマっている人を見ると、「時間がもったいないなぁ」と思ったりもします。
でも、やっぱりそれも自由なわけです。いや、あれはあれでゲームを通じて誰かとコミュニケーションを楽しんでいるわけですから、立派なソーシャルメディア活動なのかもしれません(ゲームファンの方、ごめんなさい)。
さて、話は元に戻りますが、ソーシャルメディアを楽しいと思ってどんどん利用し、いつの間にか周囲を巻き込み、仲間を増やし、仕事にもバリバリ活用する人と、「あんなものやらん」と意地を張り、今まで通りの生活を送る人では、今後とんでもない差がついてしまうであろうことは、どうやら間違いなさそうです。なぜなら、ソーシャルメディアはこれからますます「社会の情報インフラ」になっていくからです。つまり、ケータイを誰もが持つようになったように、ほとんどの世帯にブロードバンドが普及したように、生活をする上で当たり前のことになっていくのです。
ソーシャルメディアの中でも、どのツールが台頭するかは、その時々で変わるでしょうし、「使い分け」「住みわけ」をするようにもなるでしょう。しかし、どんなメディアにおいても、活用方法の本質は同じです。小手先の技や誇大表現は決して通用しません。中にいるのは機械ではなく、生身の人間なのです。インターネット文化も、いや文明全体がそうなのかもしれませんが、21世紀は今までの効率化、スピード化の風潮とは逆に、「いかに手間をかけるか」という方向に戻っていくような気がします。
また、ソーシャルメディアは、インフラとして生活に溶け込むのと同時に、人々の価値観・評価軸の中心となります。これまでのマスメディア主導の世論ではなく、今後はソーシャルメディア上にある、個人の意見の集積が世論となるわけです。それを知らん顔して生きて行けるかと言ったら、わたくしは自信がありません。やはり楽しみながら価値を作っていく側にいたいと思いますもん。
気になるソーシャルメディア活用の成果ですか?そうですね。当然、人によってスピードに違いはあると思いますが、腐らず焦らず、コツコツと活動していくことで、必ず自分のブランドを確立し、素晴らしい仲間を得て、会社の看板なしでも生きて行けるようになるでしょう。
本書では、多くの方ができるだけはやく結果が出せるように、著者が現場で「ダメだこりゃ!」と思ったことや、「これはいける!」と感じたノウハウ、特にしっかりとした人脈形成をしつつ、ストレスなし、営業いらずの仕事環境を手に入れる方法をお伝えしていきます。
5年前の本なので、もう中身も古くなっているのかなと思ったら、そうでもなかった。ソーシャルメディアの本でありながら、今後のネット社会における、普遍的な内容を盛り込めたのかなと、いまさらですが思うことができました。(勝手に自画自賛してごめんなさい)
しかし、残念ながらこの本は絶版になっています。もう新品は売っていません。
なぜ、当時売れなかったのか?ですが、やはり著名人でない人間が、偉そうに「人脈術」という言葉を使ってはいけなかったのかなと。でも、権力者や有名人とつながること=人脈形成ではありませんよね。自分のまわりの楽しくてユニークな一般の人だって立派な人脈です。かけがえのない人生の財産です。
実際そういうことを書きたかったのですが、それではビジネス書としては押しが弱いのだと思います。そのあたりのチグハグが、セールス的にイマイチで、結局絶版になってしまった原因のひとつなのかなと考えています。
そう思うと、「人脈術」ではなく「仕事術」でよかったのかもしれませんね。普通ですけど。
というわけで今回、読み返したらおもしろかったので、いつかチャンスがあれば、タイトルを変え、手を加えて再度出版したいなという夢が生まれました。
このブログを出版社の編集者の方がご覧になっていましたら、そしてもしご興味がおありでしたら、お声かけください。本をお送りします。