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サイボウズのワーママ動画というか、ワーママに共感できない理由について

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働くママたちによりそうことを (cybozu.com)

いや、こんなに盛り上がるとは全くの予想外でした。 前回のブログ、 現時点でfacebook664いいね!です。(他に私のFB投稿に頂いたものも多数)

個人としてはたぶん最高記録です。

そのあと、本当にたくさんのオルタナブロガーの方が関連する記事を上げていただき、それを紹介してゆくとそれだけで記事が終わってしまう量になりそうです。

中でも 田中さん 大里さん 片岡さん ら女性陣の記事には、労働制度とかを超えた部分でもいろいろと考えさせられます。

そもそもはこの動画、30代のダブルインカム層には相当反響があるんですが、40代以降の上司層はスルーしがちなので、共感か反感か無感かは別にして、一度は見てほしいと思ってちょっと煽り気味の書き方にしてみたのですが、全然そんな必要はなかったようです。

ブログにのFBマークにいいね!下さった方の属性はわからないのですが、それを引用したFBの自分の投稿には見事にバブル世代に集中したいいね!がついて、たぶんブログの方もそれに準ずる特性ではないかと思います。

ただ、私のブログは煽り気味文体ですが、会社としてのこの動画への姿勢はPRではありますが爆発的なアクセスを狙ったわけでもありません。ですので、ここまで盛り上がって社内でも驚いているところです。

それくらい、ワーキングマザーというか、子育てと仕事の両立、そして旦那などの無理解は誰もが感じている大きなテーマなんでしょうね。

■ワーママ、ワーパパ上司層であるバブル男子を取り巻く環境

で、特に女性のみなさんの記事などを拝見して、バブル男子としても反省するところではあるのですが、そこで素直にごめんなさいと言ってしまっては、同世代男子に申し訳が立たないので、今回もあえて「男の理屈」全開で書いてみたいと思います。

バブル男子がこの動画になかなかピンとこないのは、完全な共働きではない家庭が多いというところです。

バブル世代であるアラフィフ層は男女雇用機会均等法が施行されたあたりで就職した男女同権第一世代ですが、実際には総合職を選んだ(選ばれた)のは、先進的な思考と当時の男子顔負けのポジティブさを備えた一部の四大卒だけで、まだ多くが短大に行って結婚か出産を機に会社を退職してます。

言い訳になるかもしれませんが、そうなると収入面で家計を支えているのは間違いなく男のほうであり、教育費がMAX状態にある現状としては、たとえ24時間会社にしがみついでも子どもたちを大学へやり、社会へ送り出さなければならない立場です。

一部外資系を除いては年功序列もなくなったとは言いがたい状態ですから、そう簡単に転職もできません。転職できるのは今と同等か上の収入があって、少なとも数年間の収入と雇用が保証されている場合のみです。(そしてそんな環境にある人はごく少ない)

妻のほうは20代で仕事をやめていて、いまさら正社員として再就職するのが至難の業であるからこそ、男性も収入を落とせないのですが、女性の再就職と同様に、男性も転職でキャリアアップとかまじめに考えてきたことがない人のほうが多いので、今さらやれと言われても急にはできないのです。

そんなわけで、ワーママの上司たちは、どんなに人生のぬかるみにはまろうとも、前が見えなくなっても、後方から砲弾が飛んでこようとも戦線を離脱することもできず、匍匐前進で1時間に2mしか進めなくても目をつぶってとにかく耐えるしかない状況に置かれています。

■ワーママ動画を見るときの心境は?

あるブログで、女性の子育てのストレスは、「何かをやり遂げようとすると必ず中途半端に横槍が入ってやりきれないことの積み重ねに起因する」と書かれていました。

言われてみればそれは理解できます。

アラフィフ男子のストレスは逆に「絶対にやり切らないといけないことに起因するストレス」だったりするんですね。

なので、やりきる(=仕事をとにかく無事に続ける)以外のことについては、ちょっとプチ逃避したくなる。

「こっちは年中365日家事しているのよ、何言ってるの!」と言われそうですが、50歳ともなると、衰えゆく体力、昔のように成長できない自分の能力、抜かれつつある後輩の成長、劇的な社会変化と変わる上司と顧客(と部下)の要求にずっと応え続け、それでもまだ社会的重力に逆らって給料を上げようと努力し続けなければいけないプレッシャーっていうのも結構きついものなのです。

で、そういう心境のもとでこういう動画を見ると、とりあえずスルーです。(笑  

反対とか賛成とかそういうことではなく、自分の話でもなく、家族の話でもないと思ってしまうし、「お互い色々大変だけど、まあ前向いてがんばろさ」と心のなかでつぶやいておしまいといったところではないでしょうか?

逆にこれを職場や家庭で議論するにはなかなかの勇気が必要です。

職場で話題に出してみたら、部下たちの日頃の色んなモノが噴出します。シフト変えてとか、お客さんに遅い時間の訪問断って!とか、しまいには管理能力を問われかけない事態にまでなりそうで、できればそっと蓋をしておきたい。

■片方は愚痴のつもりでも相手はそうは思わない

それでもまだ職場でならいいです。家庭ではもっと大変です。

「私の時は...」で始まって、もうリカバリ不可能なデス案件の「クレーム」をずっと言われることになること必至です。

そこで収入の差とか絶対に言うわけにもいかないですしね。

こと我々の世代にとっての「よりそう」ことの難しさというのは、この愚痴を聞く部分です。

たぶん妻の方は、「愚痴くらい聞いてよ」なんでしょうが、この愚痴って殆どの場合「お金が」と「時間が」「住居が」とかが単語として出てきて、それは夫の側としては「甲斐性なし」と言われていることと同義になってしまうのです。

なので、全く言い訳ができない。

会社で聞く部下の愚痴は、自分の責任のこともあるけれども、そうではないことのほうが多いわけですが、家で聞く愚痴は妻の方にそういう意図がなくても、夫としては最終的には自分の責任を問われている感じになってしまうのです。

「もう少し生活が楽ならね」

「家のローンがなければ」

「もし私立にやる余裕があったら」

「もうちょっとこの部屋が広かったら」

「この冷蔵庫そろそろ買い換えたいのよねえ」

たぶん言っている側にそんなに悪気はないし、ただの愚痴であってクレームではないのですが、夫としては全部「お金があったら解決」できる問題であって、つまりは「給料低くてすんません」と反省する以外にない。

たぶん妻はそれを望んではいないし、夫のせいだとも思ってないのでしょうが、仕事にしがみつく男のプライドの最後の砦がこの生活を支えているキャッシュディスペンサーとしての役割であって、そこを突っ込まれる(気がする)のは、たまらないわけです。

で、結局何が言いたいのかと言われると、「よりそうことって、難しいよね」っていうことです。

妻は話を聞いて欲しいだけ、なんですが、男脳の解釈ではそれは「自分の能力では解決できないクレームの直撃弾を連発で受けてもそこに踏みとどまること」であって、聞き続けることは相当な苦痛な場合が多々あるのです。

とまあ、同世代男子の代弁を試みてみましたが、実際同窓会とかで私が言われるのは「おまえなんかいいよなあ、好き勝手し放題に生きてて」。

いや、それなりに苦労してるんですよ、私も。(笑 

肩書や言動から、たぶんそう言われるだろうと思うんですが、自分でも今の立場はかなり自由で恵まれている方ではないのかなとは思ってはいます。

だからこそ、変わらないと思っている同世代男子にワークスタイルの変革を説いているんですけどね。 「よりそう」ことよりも「職場を変える」ことはまだ簡単です。

ワーキングパパママ達の部下の活躍で成長できる職場に変えてゆこうではないですか。(むちゃくちゃな説得だ)

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