ファシリテーション・パラダイス
パラダイス-楽園。
あなたにとってのパラダイスは?と聞かれたら、皆さんはどのようなイメージをお持ちになりますか?
私のとってのパラダイスは南国の島、モルディブです。20代の頃、スキューバダイビングにハマっていて、月に数回は伊豆の海洋公園に通っていました。そして新婚旅行が憧れのモルディブでした。部屋からつながる広い砂浜、浅瀬を20メートルほど進めば、そこから先は断崖絶壁の深い海底、シュノーケルで5メートルほど潜れば、南国の魚たちの群れと珊瑚礁・・・。
今回ファシリテーションに関するブログを始めるにあたり、タイトルをつける必要があったわけですが、私がファシリテーションと知り合ってからのここ何年かと、今後の私とファシリテーションとの関わり合いを考えたとき、ふと、あのモルディブで休日を過ごしているような、あの海の中を泳いでいるようなワクワク感が湧き上がってきました。そしてすぐに「ファシリテーション・パラダイス」というタイトルが浮かびました。
私はこのブログを書くにあたり、皆さんとこの「ワクワク感」を是非共有したいと思っています。どうぞよろしくお願いします(^o^)/
さて、ファシリテーションについてです。
ファシリテーションという言葉を聞いたことがある方、手を挙げてください。(ハーイ)
では、ファシリテーションについて説明できる方、手を挙げてくださーい。(・・・?)
試しに「ファシリテーション」をWebで検索してみたら、約 9,940,000件ヒットしました。知らなかった人、是非今日をきっかけに興味を持っていただけるとうれしいです。
○ファシリテーションとは?(日本ファシリテーション協会より)
ファシリテーション(facilitation)とは、「促進する」「容易にする」「円滑にする」「スムーズに運ばせる」というのが原意です。人々の活動が容易にできるよう支援し、うまくことが運ぶように舵取りするのがファシリテーションです。具体的には、集団による問題解決、アイデア創造、合意形成、教育・学習、変革、自己表現・成長など、あらゆる知識創造活動を支援し促進していく働きを意味します。またその役割を担う人がファシリテーター(facilitator)であり、日本語では「協働促進者」または「共創支援者」と呼びます。分かりやすく言えば、裏方で黒子のリーダーです。会議で言えば、メンバーの参加を促進し、プロセスの舵取りをする人がファシリテーター(進行役)です。(続きはHPで。http://www.faj.or.jp/modules/tinyd2/index.php?id=1)
○ファシリテーターとは?(ファシリテーターズクラブ(ピープルフォーカスコンサルタント運営)より)
・中立的な立場で
・チームのプロセスを管理し
・チームワークを醸成しながら
・チームの成果を最大化する
役割を担います。(詳細はHPを。http://www.facilitators.jp/faciltatortowa.html)
まあ、このように「ファシリテーションとは?ファシリテーターとは?」というようなことを理解する入口はWebにたくさんありますし、ビジネスマン向けの本もたくさん出ていますので、基本的なことはWebや書籍で吸収してください。(別の機会に、私が皆さんにお勧めしたいファシリテーション関係書籍をご紹介します)。
で、最初に戻りますが、記念すべき第1回の「ファシリテーション・パラダイス」ですので、何がパラダイスなのか、何がワクワクするのかを、私の失敗談をもとに皆さんにご紹介します。
その昔、私は出来の悪いプロジェクトマネージャーでした。何がどう悪かったのか、未だにうまく説明できませんが、この業界で女性でマネージャーをすることはそう簡単なことではないと実感しています。いや、女性全員がということではなく、私のように人の能力やチームワークを引き出して、それを成果に強く結び付けるような「人を活かす」という性質を生まれつき持っていない人間は、私の弱点をフォローし、支えてくれるような支援者が必要だったと痛感しているということです。これが男性だったら、直属の部下と飲みにいってコミュニケーション不足を解消したり、自分の考えを率直に伝えて支援を依頼したりすることができたかもしれません。でも女性だと、なかなか二人だけで飲みに行ったり、悩みを相談したりとかはできないもんです。(笑い話ですが、30代の頃、10歳ほど年下の部下(男性)を誘って飲みに行ったことをアメリカ帰りの友人に話したら、「新岡さん、それはセクハラですよ」と言われてしまいました^^;)つまり、結局のところ、会議室でまじめにそして堅く話し合うしかないのです。そんな事ではやはりコミュニケーション不足で生まれた溝は埋まりません。もがけばもがくほどドツボにハマっていく、そんな感じでした。
そんな時私はファシリテーションと出会いました。そしてファシリテーションを知るにつれ、そして使うにつれ、私はノミニュケーション(注:酒を飲みながらコミュニケーションをとるということ)以外の手法を手に入れた!と思いました。そう、ファシリテーションを使えば、会議室のような堅~い場でも、柔らか~いコミュニケーション空間を作れるのです。1つ簡単に紹介しますと、ファシリテーションのツールの1つにアイスブレイクというのがあります。これは「氷を砕く」という意味で、会議などでの固まった空気、参加者の緊張感から作られるこの空気を砕き、リラックスさせ、参加者が互いにコミュニケーションを取りやすくなる、もしくはすでに円滑なコミュニケーションがとれている状態にするというものです。
さて、ここまでは私の話でしたが、これは今の会社組織やプロジェクトチームにも当てはまる話です。昔のように頻繁にノミニュケーションを行って、「ツーカー」(電話のツーカーではありません。「ツーと言えばカー」です。それでもわからない方は「つうかあ」で辞書を引いてください)の仲になるということはあまりありません。それよりも見知らぬ人同士でプロジェクトチームが作られ、すぐに機能を開始しないと納品に間に合わない、というような状況が増えてきました。コミュニケーションを取ろう、自分を知ってもらおうと思っても、そう簡単にはいきません。飲みに誘ってもなかなか本音など話してくれません。そう、昔私がプロジェクトマネージャーで苦労したような状況が、今の一般的リーダーにも起こっているのです。そこで普通のビジネスマンもファシリテーションを取り入れる価値が高まってきた、といえる訳です。
ちょっと核心に触れてきたところで、今日は終わりにしておきます。
ファシリテーションはチームに対して作用します。システム開発はすべてがチーム活動です。ここで言っているチームとは、開発者側だけではなく開発要求を持っている側も含んでいます。えてして対立関係を生んでしまいそうなこの関係も「1つのチーム」として捉え、そこにファシリテーションを取り入れることにより、システム開発全体のプロセスがハッピーなものになると私は信じています。