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もしも洞察力があったなら……。

【広報かるた】・【し】締め切りを、過ぎての対応、無理だから。載らないから。

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昨今のオンラインメディアはそれほどでもないかもしれませんが、従来からの紙媒体については、「紙を印刷して製本して発送して読者にお届けする」という物理的なアクションを起こさなければならないため、締め切りはシビアです。読者にしてみれば、約束している発行日はもちろん、新聞などは毎朝取りにいって届いていなかったりするとちょっと困っちゃいますよね。

ということで、たとえば新聞記者は、その日のニュースや抱えている特集記事の原稿を、あらかじめ定められた時間までに書き上げていかなければなりません。ということは、事業会社が何か新製品を発表し、記者からの質問を受け、回答を約束したならば、これは、締め切り前に果たさなければなりません。記事を書く時間まで配慮するならば、なるべく早くその約束を果たさなければなりません。
 
さて、発表その日に問い合わせを記者から受けたものの、かなり細かい内容なので技術者に確認を取らなくてはならなくなったとしましょう。しかし、その技術者と連絡が取れない。携帯電話がなぜかつながらない。というときにはどうすればいいのでしょうか。記者からはすでに二度も催促の電話がありました。気持ちは焦るばかりですがどうしようもありません。
 
締め切りは永遠には待ってくれません。記者も同様です。そこで、あなたが広報担当としてその記者とこの先も良好な関係を築きたいのならば、速やかに「回答の可否」を判断して知らせてあげることです。記者もプロです。最悪その情報がなかったとしてもどのように書いて仕事を終わらせるかということは、あなたよりも知っています。なので、永遠にこない回答を待ち続けて締め切りを逃すよりも、早く判断をして記者に段取りを整えてもらう方がずっとましなのです。もちろん、回答が速やかに入手できればそれにこしたことがありません。
 
相手に期待させておきながら回答できない、という状況は決してつくってはいけません。広報は会社の情報の所在について、少なくとも記者よりは熟知していることを期待されます。だからこそ、受けた質問への回答ができそうか、無理そうか、という温度を速やかに伝えなくてはならないのです。回答できるものは速やかに。一方で、ダメならダメとはっきり言えば、記者は無駄な期待をせずにサクサク仕事を進めていくのです。
 
ところで、記者が記事を書き終えてそろそろ引き上げよう、というタイミングになってようやく回答ができるようになったらどうしましょうか。
 
締め切りをすぎてからの対応ですから、記事にそれが載ることなど期待せずに、念のために連絡をする分には記者も嫌がらないでしょう。お詫びの一言を忘れずに。何がきっかけであっても、相手と連絡を取る理由や目的がある限り、コミュニケーションをしていくのが広報の務めですから。
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