UStreamの中継配信に関する諸注意--数多の失敗から学んだ末の好例として
昨日行ったデータベース技術者向けのカンファレンス"askTom Live" in Tokyoは、200名強の技術者の方々が集い、4時間に渡る長丁場のセッションにもかかわらず大盛況にて終えることができました。ご参加いただいた皆さん、ありがとうございました。
さて、今回のカンファレンスはデータベース技術者には馴染みのあるTomKyteの登場とあって、あっという間に満席、参加登録の受付が早々に終了したために、きっとエッセンスだけでも知りたいと思っている方がたくさんいらっしゃるだろうということで、UStreamの配信を敢行しました。
過去には何度かこのUStream配信を行ってきましたが、すべてが大成功だったわけではなく、多くの課題を認識しながらチャレンジを繰り返してきたわけです。ここをおさえればかなりいい線いけるだろうという主だった課題は次の4つ。
- 映像がきれいに出ない
- 音声が出ない、あるいは不適切な音量
- 音質が悪く、聞き取りづらい
- 誰も見ていない
1.映像については、適切なネットワーク帯域(回線の太さ)と適切なカメラ(今のところの経験では動画100万画素以上)を用意すればある程度解決できます。とはいえ、UStreamサービスが高解像度モードでない限り、スクリーンに表示されたスライドのうち第3レベル以下の文字はほとんど見えませんので注意が必要です。つまり、UStreamでスライドを映しながら中継する場合、文字はできるだけ大きくしておいたほうがよいでしょう。
2.音の課題について:音量に関しては、ぶっつけ本番をすることなく、会場の音量とマイクの性能・音量調整をしながら実際に視聴者PCをセットして確認することが必要です。大きすぎず。小さすぎない音量を事前に確認しておくことによって、Twitterのタイムラインに「あのー、音が聞こえないのですけどー」というようなコメントが流れることは少なくなると思います。
3.音質の課題:音量が適切でも、音が割れていたり、あるいは反響(リバーヴ)やハウリング、フィードバックされていたのでは、実際の中身を聞き取るのは困難といえます。音楽演奏を聴く場合は効果的にリバーヴなどを活用することがありますが、プレゼンテーションなどの話し声はできるだけ「デッド」(無響)状態で流すのがよいでしょう。これを実現するためには、できるだけWebカメラに内臓のマイクを使わずに、会場マイクがつながっているPA機器(アンプやミキサーなど)からラインを引っ張ってきて、手元の配信用PCのマイク端子につなげてストリーミングするのが望ましいでしょう。
同時通訳などを手配している場合は、同通レシーバを最大ボリュームにしてイヤホンをWebカメラのマイク部に近づけるだけでも同様の効果を得ることができます。
4.誰も見ない:もっとも重要な課題かもしれません。はじめから誰もいないのか、誰か見に来たけれども、映像や音声が視聴しづらくてすぐにどこかに行ってしまったか。前者の場合は、事前の告知が肝心です。テーマ、概要、スポークスパーソン(話し手)、アジェンダ、開始、終了時刻などを事前、当日、最中にTwitterやブログを活用して告知を行い、つながるようにしていきます。後者の場合には、上記1-3までを対応することによって、ある程度の定着が見込まれると思われます。
ところで、今回は英語でのプレゼンテーションだったために同時通訳=日本語チャネルをメインにしておりましたが、サブチャンネルとして実は英語のままのストリーミングも行っていました。つまり、二系統配信ですね。決して数は多くはありませんでしたが実際に英語でコンテンツを楽しんでくださった方もいましたので、こうした対応も今後必要になってくるかもしれませんね。
最後に、今回の #asktomjp イベントに参加してくださったかたからこんなうれしいコメントを頂戴しましたので、二ヶ国語にてご紹介をいたします。
昨日のAskTomLiveセミナーは、それ自体は技術セミナーだけれど、無線LAN完備でTwitterでの内容実況OK、Ustreamでの英語、日本 語での配信、同時通訳のクオリティ、色々な意味でイベントを考えているIT事業者にとって参考になるものだったと思う。
Yesterday's AskTom Live was purely a technology event. It was impressive that the organizer prepared WiFi, and allowed Twitterers to tweet, while providing Ustream live in both English and Japanese. The simultaneous interpretation was in a great quality. By all means, IT companies considering to drive any of these type of events, this is one of the best practices that should be referred to.
xxxxxxxxさん、ありがとうございました。