クラウドビジネス入門が、読後にやっぱりお勧めなわけ
オルタナブロガー林雅之さんの書いた「クラウドビジネス入門」を読了しました。
本書は手につけるまでに時間がかかってしまいましたが、読み始めたら速い。今日のオフィスまでの移動時間で読了です。(読むのが速いのか、単に通勤時間が長いのか。)
さて、感想ですが、まず、間違いなく、クラウドの概略と現状を把握されたい方には必読です。(おお、なんと陳腐な紹介か-恥)
林さんによれば、クラウドとは未来永劫に台頭するキーワードではなく、これは過渡期なのだと。その行く末には、データセンターの新たな取組み、ネットワークの新たな挑戦、ソフト/ハードベンダーの変革があるのだと。この繋ぎのメッセージが素敵です。これを理解すれば、本書の位置づけはますますクリアに。
つまり、「xxxのサービス化」、「所有から使うへ」という大きなパラダイムシフトが長期にわたって、IT産業各所で起きているわけですが、将来いつかこのムーブメントが完了し、振り返ったときにも、このクラウドは重要なマイルストーンのひとつとして歴史に刻まれる、という解釈。
ピータードラッカーの「経営論」の引用では、
「既に起こった未来を明らかにし、備えることは可能」
10年、20年後に影響をもたらす、今現在起こり、後戻りできないことについて知ることは、未来を知る前提となると言っている。しかも、そのようなすでに起こった未来を明らかにし、その未来に備えることは可能であるとしている。
さて、オラクルCEOのラリーエリソンは、クラウドを実現するための全てのソフトウェアを既に持っているとしています。SaaS、PaaSという観点で、それは事実でしょう。クラウドの先に起こる多種多様の変化に私たちがどのように産業を牽引し、あるいは追従していくのか、それはまさしく、未来に備えることに他ならないのです。そして、私たちは、未来がやってくることを知っています。
林さん、大変勉強になりました。これからの本も楽しみにしています。