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もしも洞察力があったなら……。

良い番組を創ってほしいと言う素朴なお願い

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東洋経済新報2009年1月31日号にはメディアの崩壊について書かれていました。ここにいらっしゃる方々は、読まれた方も多いでしょう。

私は、この特集読後に、最も強く思ったこと。それは、テレビは良い番組を創ってほしいということです。教養の視点、娯楽の視点、報道の視点・・・様々に視点はあれど、私たちが「あぁ、見てよかったな。」と思える番組づくりを目指してほしいと、思うのです。

最近のNHKが人気であるという指摘が記事の中にありました。実は私も最近はNHK総合、教育、BS、そしてCATVに集中し、徐々にですがじっくり腰をすえて民放を見なくなってしまいました。(朝夜の報道番組ザッピングはしていますけど)

民放でクイズ番組が流行ると、とたんにキー局などが揃ってクイズ番組を放映し始める。バラエティ占有が加速する。最近の例では、結果的に民放番組の低質化が進んでいると東洋経済の記事は指摘します。

視聴率とスポンサーの意向が重視されると言います。これはビジネス上重要なことですが、依存度が高すぎないでしょうか。ひとたび環境の変化、すなわちイノベーションが起こると、既存の指標に依存しすぎるがあまり、改革を推進するのは至難の業。まさしくイノベーションのジレンマが起きているのです。

そして東洋経済新報の同じ特集内で掲載された民放某重鎮氏のインタビューでは次のような内容が。

記者の質問:インターネットが台頭しているが、これは大きな構造変化ではないか?

重鎮氏回答:(新聞やテレビが気づいてきた信用について言及し)
これを(インターネットの世界で)直ちにやろうと思っても、何兆円かけたってできやしない。もし、ブログに書いてある内容をそのまま信じてしまうような人がいるなら、よほど客観的な考え方ができない人だろう。

(中略)

テレビ放送がインターネットに食われると言う人がまだいるけれど、まったくのナンセンスだ。インターネットは無料ではなくインフラの部分にものすごくおカネがかかっており、誰かがそれを負担していることもよく考えなければいけない。

皆さんはどうお考えだろうか。大変申し訳ないことに、このエントリーでは同氏の回答の一部引用しか行っていません。全文を読んだ上で議論を重ねてみたいですね。

さて、私自身は、ネットによるイノベーションは確実に起きている故、新たなる共生をテレビ・新聞は考えるべきだという立場です。そして、その共生への第一歩は、(一部は始まっていますが)有償無償を問わず、各局の過去の番組アーカイブを早く開放することだと考えます。

つまり、これまでの豊富に培ったすばらしい叡智の結晶を、早くビジネスモデルを作って、万人のアクセスを可能にしましょう、というものです。その取り組みをすれば、レガシーだと言われ続けがちなメディアが、次の時代に一歩進めるのだと考えています。

さて、余談ですけど。テレビ局では「再放送はありえない」とされるコンテンツがあります。それは、

  • ニュース
  • 天気予報

しかし、ふと思ったのです。
自分の生まれた日や、思い出のあのときのニュースや、そのときの天気予報とか見てみたいって。

ネットの世界では、こうしたありえないとされる再放送さえも視聴者を受け付ける土壌になるかもしれません。なんでも、Out Of The Box、オルタナティブに思考をしてみることが肝要ですね。

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