本が売れない時代にオバマという効果
昨年の大統領選挙勝利宣言の頃から、オバマ氏関連の本が沢山売れているというニュースを散見しています。経済を回復させるための取組みに大統領は注力をしていますが、米国内のみならず、日本を含めて経済効果に貢献しているようです。
中国で・・・(2008年11月)
北京図書大厦の担当者は「当店ではオバマ氏関連の書籍12点を販売している。よく売れているのは『バラク・オバマの軌跡』『米国を変えるオバマ』など3-4点。これらの書籍はオバマ氏の勝利で売れ行きがもっと良くなるだろう」と述べた。
これは、出版界にヒットを発生させたというオバマ効果だったわけですが、実際の政治という観点では、経済回復のための検討を日々重ね、具体策を実行している模様です。
その検討組織のひとつに、経済回復諮問委員会(ERAB=Economic Recovery Advisory Board)があります。この委員会のメンバーに、シリコンバレーに縁のあるふたりが選ばれました。
オバマ米大統領は,経済回復諮問委員会(ERAB)のメンバーにシリコンバレーのリーダー2人を指名した。ERABは16人の委員で構成され,現在の極めて深刻な不況下で大統領に経済面でのアドバイスを行う。
そのうちの1人は,ベンチャーキャピタルKleiner, Perkins, Caufield & Byers(KPCB)のパートナーを務める億万長者のベンチャーキャピタリストJohn Doerr氏。Doerr氏はかつて,Google,Amazon.com,Sun Microsystems,Cypress Semiconductorへの出資に関わり,現在はAmazonやGoogleなどの取締役を務めている。また,最近は環境技術に関心を寄せている。
もう1人は,オラクル社長のチャールズ・フィリップス氏。フィリップス氏は2003年5月に同社の社長に就任し,それ以前はMorgan StanleyのInstitutional Securities Divisionに在籍していた。同氏はLinuxの熱狂的支持者で,2005年には「オンデマンドこそ,この先長く続く未来のソフトウェアの形であり, われわれはLinuxでそれを構築している」と述べている。
少しそれますが、マネジメント、という視点では、オラクルのそれはすさまじく効率的で、見える化を越えた予測型の経営管理を推進しています。そのリーダーの一人がこのチャールズフィリップス。ビジネスの計数管理、分析力に長け、理想的な経営とITの結合を実現してきた立役者でもあります。
翻って、チャールズが2003年にオラクルに加わってから、大きな変貌を遂げました。データベース企業からの脱却、買収戦略の実行、グローバルシングルインスタンス(世界データ統合)プロジェクトの完遂などなど、グローバル企業の経営者として沢山のチャレンジを乗り越えてきたリーダーです。
断言はできませんが、その彼がERABに(アドバイザリーとして)参画したのであれば、これまでの実績も手伝って、何がしかの貢献をつい期待してしまうのです。しかも、黒人として。
オバマ旋風、目が離せません。