【図解】コレ1枚でわかるクラウドネイティブ
「クラウドネイティブ」とは、「自社の古いシステムをAWSやMicrosoft Azureなどのクラウド上に引っ越す」ことではありません。既存のシステムをそのままクラウドに持っていく単なる引っ越しは、「クラウドリフト」と呼ばれます。
一方、クラウドネイティブとは、最初からクラウド上で稼働することを大前提としてシステムを設計・開発し、クラウドならではの利点(圧倒的な柔軟性、無制限に近い拡張性、高い耐障害性など)を徹底的に引き出すアプローチを指します。いわば、クラウドという新しい土地のルールに合わせて、建物を基礎から設計し直すようなものです。
なぜ今、この考え方がこれほどまでに重要視されているのでしょうか。最大の理由は、ビジネス環境の激しい変化です。顧客のニーズは移ろいやすく、昨日までの正解が今日も通用するとは限りません。競合他社よりも早く新しいサービスを立ち上げ、市場の反応を見ながら日々システムを改善していく「スピード(アジリティ)」が、現代の企業の勝敗を分けるようになりました。数年かけて完璧なシステムを作り上げる従来の手法では、リリースした頃にはすでに時代遅れになってしまうのです。
この圧倒的なスピードと柔軟性を実現するため、クラウドネイティブでは主に以下の3つの技術や手法を駆使します。
第一に「コンテナ」技術です。これはアプリケーションを動かすために必要なプログラムや環境を、ひとつの独立した「箱(コンテナ)」にまとめる技術です。環境の違いによるエラーをなくし、開発者のPCでも本番環境でも、どこでも素早く安全に動かすことができます。
第二に「マイクロサービス・アーキテクチャ」です。巨大で複雑なひとつのシステムを作るのではなく、小さな機能(決済、検索、ユーザー管理など)を独立させ、それらを連携させて全体を構築する設計思想です。一部の機能を更新したい場合、システム全体を止めることなく、該当部分だけを瞬時に変更できます。
第三に「CI/CD(継続的インテグレーション/継続的デリバリー)」による自動化です。開発したプログラムのテストから本番環境への反映までを、人間の手を通さず自動化する仕組みです。これにより、1日に何十回というシステムのアップデートが可能になります。
さらに、これらの「技術」に加えて、クラウドネイティブの強みを最大限に引き出すには「アジャイル開発」や「DevOps(デブオプス)」との連携が不可欠です。小さな単位で開発と改善を繰り返すアジャイル開発の手法と、開発チームと運用チームが一体となって継続的に価値を届けるDevOpsの文化が、コンテナやCI/CDといった技術の土台に乗ることで、初めて「ビジネスの要求に即座に応える」という真の目的が達成されます。
クラウドネイティブは、単なるIT部門向けの技術用語ではありません。変化に即座に対応し、顧客に素早く価値を届け続けるための「ビジネス戦略そのもの」です。非エンジニア職やビジネスパーソンこそがこの概念を理解し、テクノロジーを前提とした新しい事業戦略を描くことが、これからの企業競争力を大きく左右するのです。
今、「AIをどう使うか」という段階は終わり、「AIと共にどう変わるか」が問われる時代へと、世の中は大きく変わりつつあります。変化はAIだけではありません。ITの潮流もまた、「レガシーIT」から「モダンIT」へと構造的な転換期を迎えています。
営業職であれエンジニア職であれ、新入社員や若手がこの「現実」を知らないまま現場に出ればどうなるでしょうか。お客様との会話は噛み合わず、信頼を得ることは難しいでしょう。その結果、せっかくの才能を持ちながら、仕事への自信を失ってしまうことになりかねません。
そのような不幸なミスマッチを少しでも減らしたい!この研修は、そんな想いから始まりました。
今年で10年目を迎えますが、これまでの経験を土台に、変化の速いIT常識の全体像を、基礎・基本やビジネスとの関連性とともに分かりやすく紐解きます。さらに、ITプロフェッショナルとしてどう役割を果たし、どう学び続けるべきか、AI時代に即した「すぐに使える実践ノウハウ」も解説します。
お客様の言葉が理解できる。社内の議論についていける。そして何より、仕事が楽しくなる。そんな「確かな自信」を、本研修を通じて手にしていただければと願っています。
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