スピーチとは息の流れで心を伝える
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昨日の記事で「心がこもってないと言われる」「話し方に抑揚がつかない」そのため「伝わらない」と困っている方が多かったことから、「話に心をこめ抑揚をつけること」について書きました。
心を伝え、抑揚をつけるために、技術的には、声帯の閉じ方と息の流し方が重要になります。
大事なことを伝えようとするときは、特に息の流れを多くすることもポイントです。
ただ、息をどのように流せばよいかということは、その方の感情と連動します。
息の流れは、絵画でいう筆使いのようなものです。
上級者向けですが、最終的には感性に関わってくるのです。
2015年2月10日日本経済新聞「こころの玉手箱」にて、ピアニストの伊藤恵さんが、参考になる事をおっしゃっておられたのでご紹介しましょう。
・・・・(以下引用)・・・・
譜面に強弱記号の「ピアノ(P、弱く)が書いてあると、「弱く」にどんな可能性があるか、私を質問攻めにする。「優しい」「冷たい」「内面的」など様々な意味を持つのだ。最後には音色をどう出すかに行き着く。ピアノからこの世のものとは思えない素晴らしい響きを出すためにこそ、指とペダルの技術が問題になる。作品の性格として喜びがあるのか、それとも悲しみか。「夜」と書いてあれば、夕方なのか、真夜中、もしくは明け方か、曲の性格にふさわしい音質を言葉で考えさせた。
・・・・(以上引用)・・・・
名教師と言われたライグラフ氏の徹底した指導法。
より具体的に、より繊細に、表現するために、言葉を用いないピアノ演奏であるにも関わらず「言葉で考えさせた」のです。
スピーチも、息の流れによって心・感情を表現し、人々に感動を与えることができるのです。
大いなる可能性に満ちていると思えます。
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