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人から用意された資料でも説得力のあるプレゼンになる方法

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企業においては、誰かの用意した資料を読んで説明しなくてはならない場面が多いのではないでしょうか。

お客さんへのプレゼンや、記者会見などで、資料に釘付けで棒読みされている方々をよく拝見します。それは、まったく自分の言葉ではなく、人の考えた文章です。
また、まず普段使われないような、口語体でない言葉もそのまま読み上げてしまうので、自分の中で消化されていないということがよく分かります。

企業の発表会でも、プロの司会者が、台本を持って台本通りに読んでいる場面をよく見かけますが、それは「間違いなく読む」ということが大きな目的で、人に記憶してもらおうとか印象づけようとすることとは正反対です。

ビジネスの場においては、間違いなく読むことよりも、いかに説得力や信頼感を持って伝えるかということのほうが大事です。

しかし、用意された台本や資料があれば、それを「つい読みたくなってしまう」というのも人情です。
台本が用意されていれば、「多少アレンジして話していいですよ」と申し上げても、人は必ずそこに頼ってしまいます。
これは、実際行うとまず間違いなくそうなってしまいます。


だから、台本があれば、人とのアイコンタクトもとれなくなりますし、緊張から高い声になり、早口で棒読みしていますので、ほぼ説得力はありません。

資料があっても、説得力をもって話すためには2つの方法とコツがあります。

1 覚えればベストです。

ほぼ記憶し、あとは自分の言葉で語ることができれば、断然説得力は上がります。
練習も必要です。企業のトップはぜひやっていただきたいところです。

2 見て話す練習をする

資料の見方もなかなか難しいものです。
「べったり見ないで話しましょう」と言っても、やはり人前に出ると、怖くなってしまい、資料から目が離せなくなります。高い山に鎖場があれば、必死で鎖にしがみついてしまうような状態と似ています。少しでも目を離すと、もう一度見たときに「あれ?どこまで話したっけ?」と自分の読んでいるところが迷子になってしまうことがあります。

なので、目は1秒以内で資料を確認し、それ以外は、聞き手とのアイコンタクトをしながら話す練習をしましょう。

世界経営者会議でIBMのロメッティCEOは、資料を用意していましたが、間違ってはいけないような数字だけは1秒以内で見て確認し、あとはアイコンタクトをとって話していました。
見る技術も必要なのです。

この方法は、リハーサルをしましょう。ぶっつけ本番では、1秒以内で見ることはできません。

そして大事なコツがあります。

良く響く低い声でゆっくりと語りかけるように話すこと。

低い声は人間の温かみや、信頼感や安心感を感じさせます。
私が、ビジネスの場で、低い声を使いましょうと言っているのは、ここに理由があります。

甲高い声で資料を読み上げるのでは、無機質で印象に残りません。

ぜひ、落ち着いて、いつもより低い声で話すくらいの気持ちで臨んでみてください。人にはちょうどよく聞こえ、伝わるプレゼンになるでしょう。

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