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ライフワークとしての学びを考えます。

人前での話し方や声だけはどんな人でも意識しなければ良くならない

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「日本人のトップで魅力的なプレゼンをする人は誰ですか?」
と聞かれて、ちょっと困ることがあります。

なかなかおすすめできる方が少ないのです。

本当は「この方も、この方も・・・」とご紹介したいところですが、残念ながら「これは」と思う方がいません。

ただ、サントリー会長の佐治信忠さんは、素晴らしいと思いました。

一般的に、話の合間に「あ〜」とか「え〜」とか余分な言葉が入りがちな方が多い中、お話の中に一度も「あ〜」「え〜」がありません。考えをしっかりとまとめてから話しているので言い淀むことがないのです。
これは、普段から物事を深く考えていなければできないことです。
また、話し方も、きっちりと「間」をとって、呼吸をしながら、低い声でゆっくりと話されて、説得力が抜群です。
業界用語や専門用語をほとんど使わず、原稿も見ずに自分の言葉で語るところも、一般の方々に伝わりやすくなります。

立っているだけで、器の大きさ、人間の重量感を感じさせ、それでいて自然体。
サントリー4代目社長で「ヒゲのジュニア」と呼ばれるほどのヒゲも、今やトレードマークとして定着しています。

これは生まれながらに自然に出来ていることではありません。
佐治さん自身がトレーニングを行い、意識してなさっていることです。

日経ビジネスオンラインの記事「【時代のリーダー】佐治 信忠・サントリー会長兼社長」に、アメリカに行ったときに身につけたプレゼン技術について書かれていました。


    ・・・・(以下引用)・・・・

米カリフォルニア大学大学院に進学する。世界経済に一番影響のある米国で生活することが、何らかの形でプラスになると感じたのだ。

 大学院ではマーケティングを勉強したが、卒業論文の題名すら覚えていない。その代わり、米国での学生生活を通じて、佐治は経営者に必須の技能を身につけた。プレゼンテーション能力だ。「米国はとにかくみんな、よく自己主張する国や。上手にプレゼンする力を身につけないといかん」。

 「楽しく、面白く、分かりやすく」が佐治流プレゼンのモットーだ。取引先の式典でスピーチを頼まれても、用意された原稿を棒読みすることは皆無。必ずその場の空気に応じた生きた言葉を交ぜる。声は大きく、言い淀むこともない。こうした才能は天性でもあるが、米国で意識して才能に磨きをかけたことは確かだ。

    ・・・・(以上引用)・・・・



何もしなければ、どんな素晴らしい方でも、しっかりと説得力を持った話し方は出来ないものです。

経営者は経営で忙しく、ご自身のプレゼン能力まで意識なさる方があまりいらっしゃらないのが実情です。

しかし、社長は「会社の顔」。

社会は、社長を見てどんな会社か判断しているのです。
また、社員の皆さんも社長がどんな話をするのか見ています。

企業のトップこそ、人前に出たときの話し方や表現力を意識されることが大事だと思っています。

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