声が良くなる人、永遠に良くならない人の違い
「ボイストレーニングのテクニック」はとても良くできるのに、いざ声を出そうとするとトレーニングの成果が発揮されていない場合が多いものです。
こういう方は、ボイストレーニング・マニアのようになってしまって、知識はとても豊富です。こういう人ほど、豊かに響いたり、通る声が出ず、なぜか声を出したり、歌ったりすると違う声になってしまうのです。
ぜっかく頑張っているのに残念です。
しっかり勉強しているのですから、ある程度力はついているはずなので、きっかけがあったり、良い方向に導かれれば、声は変わってくると思います。
こういう方に多いのは、細かいボイストレーニングテクニックについてはとても一生懸命なのですが、一番肝心な「お腹が使えていない」ケースが多いものです。
お腹が使えるようになれば、今までやってきた細かいテクニックすべてが生きてきます。
お腹が使えているかどうか試すには、ビブラートが横隔膜でかけられるかどうかが一番良くわかります。かけられなかったりすれば、やはりまだです。
ここで、将来声が良くなる人と良くならない人、はっきりと境界線がわかれます。
ただ、最初からビブラートは出来ないので、原始的な方法ですが、まずは「ドギーブレス」が続くかどうか試してみてください。
◇◆◇ ドギーブレス ◇◆◇
1、「あ」と言うつもりで口を開け、舌の力を抜いて舌先を下の歯の裏につける。
2、暑いとき犬がするように「ハッハッハッハッ・・・」と呼吸し、まずは休まず15秒以上続ける。
☆チェック1:手をお腹(肋骨の下あたり)に当てて均一に動いているのを確認
☆チェック2:吸う息と吐く息が同じ量になるように
肋骨の下あたりがぺこぺこと動いているのがわかりましたでしょうか?
それでは次に、これまた原始的な方法ですが、その場所を意識して、大型犬になったつもりで「ウ〜、ウオン!」と吠えてみましょう。
身長180cm以上あるような大柄な男性でも、横隔膜が使えていないと、これがなかなかできなくて、チワワのような声で「キャン!」と吠えてしまうほどです。小柄な女性でも、横隔膜が使えていれば驚くような声が出るようになります。
要するに、身体を使って発声するとは、横隔膜が使えているかどうか、ということに尽きます。
お腹を使って発声することとは、シンプルでいて、なかなか深いものです。何年やっている人でも、「本当に出来ているか?」といつも確認しながら練習しています。