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ライフワークとしての学びを考えます。

才能や能力があるかどうかは親を見れば分かる

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「私は才能あるでしょうか?」
「才能って子どもの頃から分かるものでしょうか?」

という質問をよく耳にします。


作曲家の服部克久さんによる「こころの玉手箱」が日本経済新聞で連載されていました。

2014年9月19日「父・良一の形見の時計」を読み、つい冒頭の質問を思い出してしまったのです。

服部克久さんのお父さんである良一さんは、「青い山脈」をはじめ、数々の流行歌を書いたヒットメーカーです。
そして、服部さんの息子さんである服部隆之さんも作曲家になりました。
また、お孫さんでもある隆之さんのお嬢さん、15歳の服部百音(もね)さんも、バイオリニストとして国際コンクールで優勝するなど、グローバルに大活躍されています。

「音楽の遺伝子を最も色濃く受け継いでいるのは、彼女だろうと思っている。この腕時計も3代目、4代目とリレーされていくのだろう。」(記事より引用)

とあり、「遺伝子」という言葉が特に強く印象に残りました。

実は以前、橘玲さんの著書「バカが多いのには理由がある」(集英社)において、芸術の才能について書かれてあり、大変興味深く読んでいたからです。

    ・・・・(以下引用)・・・・

遺伝子が知能や性格にどの程度影響を与えるかは、行動遺伝子学という学問によって科学的に検証され、ほぼ答が出ています。こうした研究が可能になるのは世の中に一卵性双生児と二卵性双生児がいるからです。
(中略)
行動遺伝子学によれば、神経症傾向や外向性、調和性、固執などの性格的特徴は4〜5割が遺伝子の影響です。能力ではこの傾向がはるかに顕著で、スポーツはもちろん、音楽や数学、一般知能は8割が遺伝によって決まります。自分が音楽家になれるかどうかは親を見ればわかるのです。

    ・・・・(以上引用)・・・・


経営者においては、「二代目が会社を傾かせてしまう」などとという例は良く聞く話しですが、服部さんのような例を聞くと、芸術においては、経験よりも、もともと持っているDNAが大きく関係しているということを感じずにはいられません。

しかしながら、クラシックの音楽においては、人生を重ねるごとに表現に深みを増して行くものです。「もともと持っているもの」に加えて、自らの可能性を追求していくことと、成功には類い稀なる「運」も必要です。

以前の記事にも書かせていただきましたが、(リンク→「夢をサイズダウンすることはできない」)服部百音さんも、食事の時間が惜しいくらいの猛練習の日々です。才能という遺伝子を磨くために、想像を絶する鍛錬をしています。

遺伝子を受け継いだとしても、それを生かしきるのは本人次第ということなのでしょう。



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