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高い声でかすれたり苦しそうになってしまうのはなぜ? 太くて高い声を出すためのトレーニング方法

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高い声を出すことは、歌を勉強している人にとって一つのチャレンジでもあります。

ルチアーノ・パバロッティを見てもわかる通り「世界三大テノール」と言われるほどに、高い声を出せるボーカリストはスターです。

ビジネスの世界では低い声は安心・信頼・人物の温かみを感じさせるリーダーの声ですが、一方、歌の世界では、低い声は通好みの世界でもあり、いくらバリトンのディートリッヒ・フィッシャー・ディースカウが素晴らしいと言っても、他の歌手とセットで「世界三大バリトン」と言われて話題になったりしないわけです。

では、高い声はなぜチャレンジなのか?

それは、高い声というのは、練習によって出るようになるものの、やはりすぐには出ないものだからです。

声帯はギターの弦のようにストレッチされながら発声しているのですが、高い声は、より声帯を薄く長くストレッチしなければ出ません。人間の身体は、ストレッチされるまで時間がかかりますし、根性で出せないことはありませんが、下手すると「聴くに堪えない声」になってしまいます。また、無理をすると故障しやすいのです。私が診てもらっている耳鼻咽喉科の先生は「喉が疲労しているとき、高音はストップしてくださいね」とおっしゃいます。

そういう意味でも、高い声は、一日の練習でたくさんの量をこなせないですし、しかも、出せるようになるまで時間がかかります。普通の人はなかなか出せるようになりません。
だから、パバロッティのように「ハイC」と言われるような超高音を豊かな声で素晴らしく出せる人は、新記録を出している、進化した人間のようなもので、特別な扱いを受けるのです。

高い声は、高音域の歌を目指す人にとってあこがれでもあるのです。
そこで、歌で高い声を出すためのトレーニング方法を少しずつ書いて行きたいと思います。

高音を出すときに、中間音や低音を出す場所と分けて設定してしまうケースが多いと思います。
初心者には、そのほうがすぐに高い声が出せるので、アマチュア合唱などのほとんどの方々は、そのまま歌い続けてしまっています。歌えないことはないのですが、そうすると、設定が分かれるたびに、音楽が分断されてしまいますし、苦しそうな声に聞こえますので、できれば同じ設定で歌い続けたいものです。


そこで本日は、声帯のストレッチを行いながら、自分が上手に出せる音域と同じ設定で出せるようにするためのトレーニングをご紹介しましょう。

それは「ポルタメント」のトレーニングです。

ポルタメントは高さの違う二つの音の間を滑らかに移動しながら発声する方法です。
「ヒュゥゥゥ〜」というような、物が落ちてくるときの効果音がありますね。それと似たような音の出し方です。

1、口を開けて息をすい、下腹を張る。(舌が下がっていることを鏡で確認してください)

2、下腹を張ったまま「ハア〜〜」と発声し、そのままポルタメントで「ハアアァァァ〜」と5度上の音(ドだったら5度上はソです)まであげていき、高い音で「ア〜〜〜」とのばし、また元の音まで下がり、その音で「ア〜〜〜」とのばす。

★上級編:横隔膜が使えているかどうか確認のために、元の音と5度上の音を伸ばしているとき、ビブラートをかけられるか確認してみると良い。

3、5度間隔で、半音ずつ移動していく。(例ド⇆ソ→ド♯⇆ソ♯→レ⇆ラ・・・・)

★ポイント1:音を上下するときに、出来るだけ微妙な変化で滑らかに。大雑把に上下すると効果があがりません。
★ポイント2:横隔膜が使えていることがとても大事です。
★ポイント3:「ア」の母音は日本人は浅くなりがちなので舌を十分に下げてほぼ「オ」に近く設定すること

無理しないように。あまりたくさん練習しないように。毎日少しずつ行ってください。

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