緊張してアガったときの声の震えをなんとかする方法
プレゼンや面接など、人前で話すとき、緊張すると「声が震えてしまう」と悩む方が多くいらっしゃいます。
私がよく行くデパートの酒類売り場に入った新人さんは、レジのとき声が震えてしまっていました。よほど接客が緊張するのでしょうか。大丈夫かな?と心配していましたが、やはり半年もしないうちにいなくなってしまっていました。
私も緊張しますし、緊張してしまう気持ちはよくわかります。
人前で話すのが辛いと思ったとしても、社会で仕事をしている限りは、どこかで話さなくてはならない場面は必ずやってきます。
仕事をしていない主婦でも、お子さんのPTAの係をしたり、披露宴やパーティのスピーチなどもあるでしょう。
なぜ声が震えるのか?
それは、声が震えているのではなく、息の流れが震えているからです。
人の気持ちというのは、正直に息の流れに表れます。
そこで、よくすすめられているのが、一般的に言う「腹式呼吸」です。
一般的には「鼻から息を深く吸い、腹を引っ込めながら口から息をはききる」「腹式呼吸で息を吐く時に「あー」とできるだけ長く声を出し続ければよい。トレーニングを続ければ、声は震えなくなる。」
というものです。
これは呼吸としては、間違ってはいません。
ただ、声の震えをなんとかしようと思ったら、発声のとき「腹を引っ込めて」はいけません。
引っ込めると声が充実しなくなり、声は震えやすくなります。
じつは、緊張していなくても、腹を引っ込めて発声すると声が揺れやすくなります。
ロングトーンと言って「あーー」と声を長くのばし続けるトレーニングがあるのですが、お腹を引っ込めてしまうと声が揺れてしまうのです。
吹奏楽をやった方ならよくご存知だと思いますが、声だけではなく管楽器のロングトーンも、お腹を引っ込めると音がまっすぐ流れなくなりますので、下腹を張り出しなから行います。
だから、「腹を張りながら」息をはいて発声したほうが、声は安定します。
発声のための呼吸法は、息をすっても、はいても、腹は張っている状態をトレーニングすると良いのです。
また、とくに下腹を張ることで、へそ下3寸(9センチ)の場所にある丹田といわれる場所を意識しやすくなります。丹田を意識できるようになると精神が安定して、緊張していても力が発揮しやすいのです。
呼吸のトレーニングをするときは、息をはくときも、すうときも、お腹を張り出すようにしてください。
そのまま、声を長く伸ばし続ける練習を続けると、緊張していても声は震えなくなります。
息の流れをしっかりさせるには、呼吸をつかさどる筋肉「横隔膜」を鍛えます。
そのための、簡単で効果的なトレーニングをご紹介しましょう。
★★★声が震えなくなる「横隔膜・ロングトーン」★★★
1、エプロンのようなもので、へそ下9センチくらいの場所をありえないくらいぎゅーっとしばる。(エプロンとしては結構低い位置です)
2、口を開け、息を吸う
3、口を閉じ、唇に針一本通るくらいの隙間を開けて、呼気の空気で圧をかけて頬と鼻の下をパンパンにふくらませて、同時に思い切り息をはきながら「ふぅ~~~」と発声する。口を開けないように。声は軽くてOK。唇の間で「ブシュ〜〜〜〜」と常に息が摩擦しながら流れているように。このときエプロンをお腹が押し返すようにする。
ポイント:声を出すときに呼気の量を加減する方がいますが、呼気の量を減らさないで。口と鼻の下ふくらみながら、「ブシュ〜〜〜」という摩擦音がなくならないように。
4、伸ばし終るところは、息が充実した状態で、お腹がバンッとエプロンを張り替えしながら「フンッ!」としっかり終わる。息が少なくなってフェードアウトする状態にならないように。
5、息をはききったら再び口を開けて1から繰り返す。
*ちゃんと行うと結構苦しいです。切るところまでうんと頑張ってください。