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指揮台から落っこちていた巨匠

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山田 一雄さん(1912年10月19日 - 1991年8月13日)は、個性的で情熱的な指揮者でした。
伝説も多く、演奏中、指揮台で飛び跳ねたり、激しく動き回るので、指揮台からよく落っこちていたこともあったそうです。
クールで現代的な指揮者が多い昨今、山田さんの指揮はスケールの大きな良き時代の巨匠タイプであったのではないでしょうか。仕事先で指揮者の方々とお話していたり、指揮のレッスンにうかがうと、皆さん、山田先生のモノマネをしたり、尽きない逸話など、必ずお話になられます。それほど日本の指揮界に強烈な印象を残した方なのだろうと感じています。

そんな指揮で知られる山田さんですが、実は、作曲家としても素晴らしい作品を残している方です。

2014年5月24日の日本経済新聞に「OBの作曲研究、東京芸大動く 自筆譜や創作ノート収集・管理 近現代の技術継承に脚光」と題する記事に山田さんのことが紹介されていました。

     ・・・・・(以下引用)・・・・・

母校での遺品管理を望む作曲家の遺族も多い。作曲家で指揮者だった山田一雄(1912~91年)の遺族は彼の自筆譜のほぼ全てを東京芸大に寄贈 した。山田は戦後はもっぱら指揮者として知られ、特にマーラーの交響曲の演奏には定評があった。しかし、戦前は「大管弦楽の為の交響的《木 曾》」、交響組曲「印度」などの作曲家として知られていた。

山田は東京音楽学校でマーラーの晩年の側近だったクラウス・プリングスハイムから作曲を学んだ。マーラー直伝の作曲法ともいえる。「作曲家とし ての山田一雄の学術的研究はこれからだ」と大角氏は話す

     ・・・・・(以上引用)・・・・・

マーラーの作品に造詣が深く、日本で「マーラー・ブーム」の原動力にもなった指揮者であろうかと思われます。

今後は、山田さんの演奏だけではなく、残された貴重な作品にも注目が集まるようになると思っています。

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