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分かっていても騙されていたいという気持ちになることがある

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堺雅人さん主演の映画「クヒオ大佐」をAppleTVで観ました。

1970年〜90年代にかけて女性たちから、約1億円をだまし取った結婚詐欺師、自称「ジョナサン・エリザベス・クヒオ大佐」という日本人の映画です。

自分の出生は「アメリカ空軍パイロットでカメハメハ大王やエリザベス女王の親類」と名乗り、怪しい日本語を話すクヒオ大佐を堺雅人さんが飄々と演じており、そのキャラクターがどこか憎めないのです。

何人もの女性がころりと騙されます。

しかし、本当は途中で気がつき分かっていたのではないかと思うのです。
分かっていて騙されていたかった。それどころか、映画に出てくる女性たちからは「お願いだからもっと分からないように騙してほしい」「あら、この程度?もっとちゃんと騙してくれなくては面白くない」という心の声が聴こえてくるようでした。

その気持ちは少し分かります。

高価なブランド品を買って「こんなもの材料費なんて何十分の一だよ」と人から言われたときの、分かっているけど「それは言ってほしくなかった」という気持ち。
宝塚で「あれは男役と言って女なんだよ」なんて言ってほしくないような気持ち。



クヒオ大佐は、子どもの頃、恵まれない辛い過去を持っていました。
当時の日本では、まだまだアメリカに対する根強いあこがれがあったのかもしれません。
過去を否定するためにアメリカ空軍パイロットになったのです。クヒオ大佐自身も自分で自分を騙していたかったに違いありません。
女性たちは、そのクヒオ大佐の寂しさと孤独に気がついていたのではないかと思います。

ブランド品と違って、クヒオ大佐のやったことは決して良いことではありません。
結婚詐欺は、人の良心を踏みにじる行為で、やってはいけないことです。

しかし、分かっていても騙されていたい。
そういう気持ちになることがある、と映画を観て思いました。

堺雅人さんは、半沢直樹より「南極料理人」とか「鍵泥棒のメソッド」のような、飄々とした役がやはり似合いますね。
今後も、新しい役にチャレンジして、さらに新たな境地をみせていただきたいですね。

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