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日本人が競争に勝つことができる唯一の方法

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昨日は、日本人は競争に弱いけれど、チームが仲良くなると強みを発揮できる、という記事を書きました。

日本人は競争に弱い しかしチームが仲良くなれば強くなれる

音大でも、欧米の才能教育をお手本にしたような学校に入学すると、入試の成績でクラス分けがされていることがあります。そして、そこにつく教官のレベルも教え方も違うのです。

例えば、学生オーケストラも、Aクラス、Bクラスとレベル分けされており、在学中は学内でどこのオケに在籍しているかで、他の人たちにもすぐに力の差が目に見えて分かってしまいます。だからオーケストラの中でも皆がライバルだと言います。

出来る子と出来ない子を一緒にしてしまうと、おちこぼれてしまう人もいるから、効率をあげるためには良い考え方です。
まだ幼い子どもの頃は良いのですが、ある程度大人に達する年齢であると、やはり日本の「恥の文化」により、窮屈な空気感の中で勉強しなくてはならず辛い思いをします。
もちろん卒業すれば、全員もともと力は持っているので、自分が必要とされる場所をそれぞれが探して活躍しているのですが、在学中ですと、「恥ずかしい」という思いから常に逃げられません。

そして、競争させることでのびるケースは、どちらかというと上のクラスの人が多く、最初から下のクラスに振り分けられると、なかなかその後伸び悩むケースが多いような気がします。
もちろん、雑草魂で、その後コツコツと力をつけてくる例もあります。
たまにそういう人が出てくると、先生方は「えっ?あの人が!?」と大変驚かれます。その裏には「よく頑張ったのね」と「そんなはずは・・」という微妙な感情を感じることがあります。

そのような経験からみると、日本人にとっての他者との競争は、負けたときの「恥の感情」が才能の開花や成長を邪魔してしまっているように思えます。

外資系の会社でも、入社してすぐに、将来重要なポジションにつける人と、そうでない人をふり分けていることで、そうでない側の人が悩んでいるというお話を何度も聞いたことがあります。

しかし、「菊と刀」によると、唯一日本人が成長できる競争があるのだと言います。

「彼ら自身の成績と比較しつつ測定する時に、最も良好な成績を挙げた(本より引用)」

それは、過去の自分との競争だと思います。

先日、NHKプロフェッショナルの流儀で、イチロー選手のインタビューがありました。

イチロー選手は、「他者とのポジション争い」や「誰の記録に勝つ」などとは一言も言いません。
かたくななまでに、過去の自分との比較、競争をしています。

「まだまだ苦しみがたりない、まだまだ苦しめるからやることがある。
苦しめなくなったら辞めるときですね」

と言うイチロー選手は、自分との競争を続け、突き詰めることこそが、自らの成長につながるのだと分かっておられるのではないでしょうか。


日本人が古来から言っている「道を求める」という言葉。

日本人が自らを成長させるにはどうすればよいのか?
それは、日本人自身が一番よく分かっていたということです。

今こそ、日本の本来持っている素晴らしい「道」に立ち返るときだと思います。


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