小さな声でも響く魔法の場所を知る方法 歯を合わせるだけの簡単な共鳴トレーニング
「滑舌は良くてアナウンサーのように見事だけど声が響かないな」
「声は大きいけど、遠くだと聴こえないな」
「せっかくマイクを使っているのに何を言っているのか分からないな」
最近、他の方の講演を聴いていてもったいないなと感じることです。
「豊かに響く声で滑舌良く発声する」→聴衆に伝わる→感動を共有する
ボイストレーニングをする最大の目的はここにあります。
「響く声」「滑舌」
この二つを共存させるためには、
1、横隔膜
2、口の中を開ける
3、舌
この3つが必要です。
基本的には、横隔膜を鍛えてしっかり息を流してあげることで声が響くようになります。
そして、声が響くようになれば、間が持ちますので、落ち着いてゆっくり話せるようになり、不必要に早口でしゃべることがなくなりますので、滑舌もよく聞こえ、ほとんどの問題は解決します。
・「横隔膜を鍛えるトレーニング」はこちらを参照ください。
→どんなに他のボイストレーニングが成功していても横隔膜が使えていないと良い声は出ない 横隔膜の簡単なトレーニング
・さらに滑舌を良くしたいと思われる方は「簡単な舌筋を鍛えるトレーニング」をご参照ください。
→舌筋を鍛える簡単なトレーニング方法 これで滑舌が良くなり歌にもプレゼンにも効果があります
今日の本題です。
横隔膜、舌筋、その次に来るのが「共鳴」です。
共鳴を得ると、いとも簡単に声が響くようになります。
私がは、講演で「ビーム」というパフォーマンスをすることがあるのですが、これは「共鳴」を使っています(皆さんが喜んでくださるのでついついやってしまうのですが・・・)。共鳴を使わないと、あれだけの声を出していたらノドが潰れてしまいます。
共鳴を使うことができれば、ほとんど口を閉じていても声が響くようになります。人前で自信を持って話すことが出来ます。
本日は、この魔法のような共鳴を得るために、私がどんなトレーニングを行ったかお伝えします。
どんなに難しいことをしたか?と思われるかもしれませんが、大変簡単なことをやりました。
それは、口をしっかり閉じて、歯と歯を噛み合わせながら、しゃべったり歌ったりすることです。
一見、腹話術のようにも見えます。
いっこく堂さんが、秋川雅史さんの「千の風になって」を腹話術で歌う芸を見たことがあります。口を閉じていても声は響きますし、滑舌も悪くなりません。
あれれ?声を響かせるためには口を開けるんじゃなかったの?
そう思われるかもしれませんね。
じつは、口を開けずぎると、逆に声は響かなくなり「共鳴」を得難いという特徴があるのです。
共鳴は、声の増幅器のようなものです。
響きは、どんなに低い声であろうと高い声であろうと、胸に下げてはいけません。響きは口より上です。もともと声の響く人をよく見てみると、鼻の周辺でビンビンと声が響いていますからよく注意して見てください。
共鳴が効いているときというのは、鼻の周辺に小さな振動が伝わり、鼻がむずがゆくなってしまうこともあります。
その感覚を得るためには、口の中は良く響くホールのように開けて、口の前は開けすぎてはいけないのです。
それでは、声の増幅器を発見するためのトレーニングをお伝えします。
1、歯と歯を合わせて、歯を見せながら口角を上げ思い切り笑う。
2、その状態を維持しながら話す。または歌う。コツは合わせた歯を離さないこと。([m][f][v][b][p]などのときは唇だけは合わさりますので対応してください)
ヒント:このとき口ばかり意識しすぎて息が流れなくなることが多いので、ぜひしゃべる前にしっかり息を吸って横隔膜を使い、息を流しながら行って下さい。息が流れないと鳴りません。
*1と2はトレーニングですので、日常しゃべったり歌ったりするときは普通に口を 動かしてOK。
口を閉じていても、「意外としゃべったり歌ったりできる」ことがお分かりになると思います。
やっぱり、少し辛いですが、口の前を閉じているためどうしても「口の中」を無理にでも思い切り開けないと話したり歌うことができません。これが良いトレーニングになります。
この方法を何度か行うと、少し響きが上に上がってきているのを意識できるようになってくると思います。
鼻のあたりで響いているような感じ、これが「共鳴」です。