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プレゼンでの質疑応答で困らない2つのシンプルなルール

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ボイストレーニングの受講生の方で、講演にお付き添いさせていただくと、声が良くなっていることで、自信を持たれてきたことがよくわかるチェックポイントがあります。

それは、質疑応答のときです。

ある程度のトレーニングを行い、あらかじめ話すことを決めてリハーサルをしておけば、どんなにアガってしまっても、なんとか最後までたどり着くことができます。

しかし、実力の個人差が出るのが質疑応答付きのときです。

予測できないような質問をいただいたときにどのような対応をするか。
これを聞けば、実力のほどが分かります。

ボイストレーニングを行って良い調子で話すことができたとしても、質疑応答のときになって、予想外のことが起こると、動揺してしまい、横隔膜が硬直し息が止まってしまいます。そうなると、声が小さくなってしまったり、モゴモゴと口ごもってしまったり、自信がなくて語尾が不明瞭になってしまったり、せっかくコントロールできていた「あー」とか「えー」とかの余分な言葉が出てしまったりして、とたんに説得力が落ちてしまいます。

質疑応答は、きちんとした社会人相手に対する場であれば、ほとんどの方がしっかりと話を理解し、受け止めれおられ、そんなに予想外のトンチンカンな質問は出ないものです。しかし1回・・・時間を長めに持てば、2回くらいは、予想外の質問が出ることもあります。こういう質問というのは勉強になることもあるのですが、本日はそういうお話ではありません。
虚勢を張らず、落ち着いて、声のトーンを変えず見事に受け答えできるようになると、本当に実力がついてきた証拠です。

聞き手の皆さんのためであるのはもちろんですが、話し手のためにも質疑応答の時間はぜひしっかりとるべきだと思っています。

どんな質問が出ても、あらかじめどのように対応するか腹決めしておけば、極度に恐れることはありません。

私は2つのルールを決めています。

1、話した内容とはテーマの違う質問を受けたとき
→「テーマとは違う質問です」、また、分からないときは「分からない」ときちんと言う

例えば、ビジネス・ボイスの話しなのに、「歌を高い声で上手に歌えるようになるにはどうしたらいいのか?」などの質問。微妙にかぶってはいるのですが、会場にいらしているほとんどのお客さんは興味がありません。答えられるからと言って、長々と詳しく答えると会場の皆さんの時間を使ってしまいます。「ビジネスとは別なんですけどね〜」と、やんわり一言断って、手短かに答えるようにします。
また、分からない質問なら、曖昧な間違った答えをするより「詳しくないんですよ」と正直に言いましょう。そうすれば質問した方も、会場の皆さんも納得してくださいます。

2、解決できない問題解決を聞かれたとき
→質問し返す

皆さんそれぞれ難しい問題を抱えておられて、思わず「う〜ん」となってしまうこともありますね。
サッチャーが来日したとき、ある政治家から「あなたが日本の政治家だったらどうするか?」と質問を受けて「政治に王道はない」と答えたと聞いたことがあります。それはその方自身が考えること。「自分で考えなさい」とやんわりと言われたのだと思います。
サッチャーのような深い応答はできないにしても、このとき、もしご縁を感じて助けてさしあげることができるなら、「その方がこの問題をどう整理しているのか」聞くことが大切です。
例えば、
・なぜ分からないのですか?
・実行しようとしてないのですか?
・調べようとしてますか?
意外に簡単なところに根本原因があるものです。
ご自分の問題はご自分が一番よく考えておられることも多いものです。

この二つのシンプルなルールを決めておけば、極度に動揺してしまうことはほとんどありません。


声をトレーニングしたら、どんな場合でも横隔膜を使って堂々と話してください。皆さんにはぜひ、質疑応答を含めたプレゼンや講演でその実力を存分に発揮してただきたいと思っています。

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