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映画「ジャンゴ 繋がれざる者」 多様化の道を歩みはじめる世界

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最近、クエンティン・タランティーノ監督の映画「ジャンゴ 繋がれざる者」を観ました。

タランティーノ流マカロニウエスタン映画です。
奴隷のジャンゴは、ドイツ人歯科医師で賞金稼ぎのヴァルツに雇われて、早撃ちと冷静沈着な判断力を武器に最愛の妻ブルームヒルダを救出に行きます。

人種差別や奴隷問題で、深刻な映画かと思われますが、そんなことはなく、観た後になぜか爽快感が残ります。これも、タランティーノ独特のカラリとしたバイオレンスと洒脱で勢いのある会話がなせる技ではないでしょうか。
そして、映画の底に、タランティーノのアメリカが奴隷制度に対して正対していないことに対する問題意識が強く流れているのが感じられるからではないかと思います。

ジャンゴのクールさもかっこいいし、奥さんも素敵ですが、なんといっても、映画の後半から登場するレオナルド・ディカプリオがすごい。
後ろ姿で登場するのですが、くるりと振り向いたときのニヤリとした表情。狂気の宿った目。
筋金入りの悪党役をいかにも楽しそうに演じていました。

この映画をみて改めて感じたのは、人種差別の根深さです。奴隷であれば、物や家畜のように扱われる時代が最近まであったわけです。

今でこそ、アジア人の活躍が著しいですが、欧米社会で白人以外がクラシックの世界で成功するのは難しいとされていました。

そんな中で活躍したピアニスト、アンドレ・ワッツ、キューバ出身のホルヘ・ボレットなどは素晴らしいと思います。

特にボレットは名声に恵まれるようになったのは、ようやく1970年代初頭になってからで、50代半ば。ボレットは、ある批評家が述べたように、「長年の無視に傷ついていた」のだそうです。

ボレットの、名器ベヒシュタインを深々と鳴らした、ラフマニノフのピアノ協奏曲第三番は、ほかの追随を許さない名演。私は、「ラフマニノフの3番」と言ったら、一番にボレットの演奏をあげます。

欧米人ではないというハンディが、かえってピアニストの演奏に深みと気迫を与えたかのように感じます。
そのピアニストの奏でる音から、私たちは、「困難を乗り越えたところに喜びがあるのではないか」という人生の深い問いに共感するのです。

しかし、世界は少しずつですが、多様化を遂げていると思えます。
これから先、どうなっていくのか。
楽しみでもあります。


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