プレゼン術のハウツー本で足りないたった一つのこと
最近、プレゼンのためのハウツー本や記事が多く出ている印象があります。
今ベストセラーになっている「TEDトーク世界最高のプレゼン術」など、読んで面白いと思いました。また2013年10月21日の日本経済新聞では「プレゼン成功の秘訣」が記事がありました。
たくさんのプレゼン本や記事が出ていますが、そこで、一つ足りないものがあります。
それは声です。
いくら、調査をし、効果的なスライドを作り、良いストーリーが出来て、リハーサルをしていても、モゴモゴとした声で何を言っているのか分からなかったり、言葉が不明瞭で語尾が消えてしまったりしていては、聞き手にはなかなか伝わりません。 また、熱い情熱があって、いくらテンションをあげても、早口や、甲高い声では、人には空回りして見えてしまい、伝わりません。
しっかり準備をしたら、本番では、落ち着いて、しっかりとした通る声で伝えたいものです。
最近、印象的な経験をしました。 それは、ある地方の青年会議所に招かれたときのことです。 そこは30代が中心となっている青年会議所で、メンバー3人が、メインの講演の前に10分~15分ずつのショート・プレゼンを行いました。
それぞれが地元の特産品を紹介する内容でした。普通は数日たつと内容を忘れてしまうものですが、今でも何を話してくださったか、どんな特徴の特産品があるのか、はっきりと覚えています。
必ずしも洗練された内容ではありませんでしたが、一流企業のコンサルタントよりある意味インパクトがありました。とにかく眠くならない。
それは3人とも「声」が良かったのです。 「00株式会社A君!」と呼ばれると「ハイっ!」と通る声で変事をして登壇します。
良かったことが3点あります。
1、ゆっくりと話していました。
2、しっかり息を吸ってから話していました。
3、力強い低い声で話していました。
普通の方々は、アガってしまったり、緊張すると、早口になり、声が甲高くなったり、または、か細くなり、呼吸が浅くなります。息を吸わないで話し始めるのです。そうすると、横隔膜が存分に使えず、声が出ません。息が流れないので滑舌も悪くなります。
そしてもう一つ驚くのは、誰一人「あー」とか「えー」とか無駄な言葉がないのです。
見事だと思いましたので、将来は政治家志望とおっしゃる幹事長の方に、どうして皆さんこんなによく話せているのかたずねてみました。
「第一声で腹から声を出してもらう。そうすると気合がはいってそのまま話せます。そして、ゆっくり分かりやすく話す。メンバーには、小学校の道徳の講師を受け持たせてもらい、ゆっくりと大きな声で話して小学生にも伝わるような話しかたにしていますよ。」
「なるほど」と思いました。
小学生はある意味正直です。いくら高級なことを話していてもモゾモゾ話しているようでは聴いてくれません。
例えば専門の話しをする場合、どんなに社会人でご経験があっても、その分野に関する限りはアマチュアです。その方々にも分かりやすく話せるようにするには、どんな人にでも伝わるように分かりやすく話して伝えることが大事ですね。
ぜひ皆さんにも横隔膜を使えるようにし、シンプルな内容をよい声で伝えていただきたいと思います。これからも、横隔膜をしっかり使った声のボイトレ方法を書いていきたいですね。