「ボイトレをしても声に表情がつかない」の勘違い なぜ私の声は伝わらないのか
2013年10月22日、TBSの「100秒博士アカデミー」でカラスの撃退法を紹介していました。
最新のカラス撃退法は、人間がカラスの悲鳴を真似するものらしいのです。
カラスはただ「カァカァ」と鳴いているだけではなく、41種類もの鳴き声があるのだそうです。
カラスの脳や行動を研究する宇都宮大学 杉田昭栄教授によると、カラスは敵に襲われたときの悲鳴をきくと危険を感じて逃げていくと言います。
この悲鳴を人間が真似しても撃退することは出来るのです。
そこで、杉田先生が「ギイヤ〜!」と鳴き声を上げると、カラスは一目散に逃げていきました。
試しに、女性アナウンサーが、真似をしてみます。
「ぎゃあ〜」と声を上げるのですが、カラスはちっとも逃げません。
杉田先生と似てはいるのですが、なんとなく「あ〜」の部分が綺麗すぎるような気がします。
また、空手家の人も真似をしましたが、カラスは逃げません。これもまた、何か作られた感じがします。
杉田先生いわく、鳴き声にもっと「気持ちを込めて!」。
「カラスの鳴き声に気持ちをこめて」、ですよ。
この言葉を聞いたとき、言葉の発声や音楽の表現でも同じことを言っているなあと、愉快な気持ちになってしまいました。
杉田先生は、要は「気合いが足らん」ということを言っているわけです。
「なぜ言葉に表現力がないのか。」
「なぜ自分の思っていることが伝わらないのか」
よくそういう質問を受けますが、
究極は「自分がそれを本当に欲しているか」どうかです。
技術だけだったら、本当にキリがないほど、いろいろあります。
しかし、技術だけ学んでも、本当に欲していて、そして、十分な気合いを込めることができなければ、相手に伝わるような表現には達しない。
カラスの声にしてそうです。
ここが一番大事なところ。ここにいつも戻るようにしなければいけないと思います。