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ライフワークとしての学びを考えます。

一流になれるチャンスを見逃していないか

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プロとは何か。
最近、素晴らしいプロに会いました。
 
夏休みをいただき、ある地方のホテルに泊まっていました。
同じ地域にある別ホテルで夕食をとりたいと思っていたのですが、乗り物を使った移動が必要なところでした。電車で移動しても良いかなと思っていたのですが、予約をしたところ、自家用車を持たない私に対して、ご丁寧に車での送迎をしてくださると言います。
 
なんと、ホテルの前につけてださったのは黒塗りの高級車で、マネージャーさん自らが現れたときは驚きました。
私が泊まっているホテルの従業員の方とも気心が知れているようで、なれた様子です。
車に乗って移動中、無駄な会話は一切なし。こちらからの質問にも必要最低限の簡潔な返答のみです。それなのにまったくそっけなさがない。人との間合いの取り方が只者ではないのです。プロだと思いました。
また運転が素晴らしく、丁寧かつゆるやかに落ち着いた手さばきで安心していられます。ただ夕食をとりにくだけなのに、車で送迎をしてくださる気配りと、マナーの完璧さ。一つの隙もないのです。
よほど高額なディナーをとったのかと思われるかもしれませんが、まったくそうではありません。決して高額ではなく、むしろそのとき泊まっているところよりリーズナブルなほどなのです。
 
到着するころには、こちらの気持ちが澄み切っていました。
 
食事は心のこもった丁寧なもので、素晴らしかったのですが、そこのホテルにあるカフェもまた良いのです。
 
ジンジャーエールを頼むと、一口飲んだだけで普通のジンジャーエールとは違うことに気がつきます。生姜の香りが広がり、草原にいるような後味。
 
「美味しい・・・」
 
思わずそうつぶやいてしまうほどなのです。
 
そこに、カフェのマネージャーが来て、「これは、すべて手作りなんですよ。お客様でも簡単に作れます。」そう言って、ジンジャーシロップの作り方から教えてくださいます。
簡単とは言っても、ここまで手間をかけてくださっているのかと思うと、気持ちが豊かになり、心からの満足を味わいました。
 
ホテルマンとしての一流。
 
そういわれると、どんなにか、もの凄い高みで誰にでも到達できないことかと思えます。
こちらからは目に見えない工夫や努力があるのだと思いますが、よく考えれば一人一人に特殊な技術があるわけではない。
高額でもないディナーをとるお客さんに対しても、その収入以上のサービスを自分なりの心から行い、お客さんと一期一会の正対をする。
そして、仕事に、職場に、誇りを持っている。
 
その積み重ねがあり、だからこそ仕事が磨かれていくのでしょう。
 
一流になるチャンスは、今与えられているこの場にあるのです。どんな人でも一流になれるチャンスが与えられているということです。
 
プロとは何か。
 
私はいつも、素晴らしいプロフェショナルに会うと、そこに爽やかな風が吹き抜けるような気持ちがします。

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