口を大きく開けても良い声で発声できない 会話しながら声が響くようになるボイストレーニング
「良い声で発声するために大きく口を開けなさい」、とよく言われます。
以前、合唱で発声するとき「口をしっかりと開けなさい」、「口を開けたら指が縦に3本入るくらい開けなさい」と指導されました。
良い声を出すために「口を開ける」というのは正しい方法です。
音の響く良いホールは天井が高いですね。 教会も天井が高いので音がよく響きます。 口の中もそれと同じ原理で、空間が広いほうが良く響くのです。
だから、まず口が開くようになるのは大事です。
私たちの普段話している日本語は、あまり口をあけないでも話せてしまいます。 そのため、日本人は特に口の中が狭くなりやすく、声が響かなくなってしまうのです だからこそ、口をしっかり開けようと意識することは必要なことです。 初心者の場合、「とにかくはじめは口を開けなさい」という指導は、間違っていません。
それでは、ただ口を大きく開ければ声が響くようになるかというと、そう簡単ではありません。 口を開けるのは正しいのですが、できれば、唇などの口の前はあまり開けずに「口の中を開ける」ようにすると良いのです。 口を大きく開けているだけでは、音が拡散してしまい、響きが逃げてしまいます。
耳障りでやかましいと思うような声は、大抵口の前が大きく開いています。こういう声は近くでは大きな声で聞こえますが響きません。
よく響く声を出すためには、口の中をあけるようにする。 それでは、どのような方法で行えばよいのでしょうか?
口の中を開けて、響く声を出すためのトレーニング方法を知っておいてください。 これは普段の生活でも応用することができ、人とのコミュニケーションも上手くいくようになります。
1、口を閉じて、舌先を下の歯に軽くつける。手を肋骨の下に当てる。
2、あごを下げます。 (そうすると、口の中に空間ができます。)
3、そのまま「ん~っんっんっんっ・・・」と笑う。お腹が笑いと同じ動きをするのを手で確認する。動いている場所が横隔膜です。
4、動いている場所を確認したら、同じ場所を使いながら、「ん~、ん~」と発声する。
実際しゃべるときもハキハキと大きな口をあけなくても声が響くようになっていきます。
例えば、日常会話の中で相槌を打つとき、この場所で発声しながら頷くと、相手は「ちゃんと聞いてくれているんだ」と感じます。 「なるほど」「そうですね」など言葉を挟みながら聞くと、自分自身も心で聞く姿勢ができてきます。きちんと聞いているつもりでも「この人聞いてないんじゃないか?」と思われるのは残念です。ぜひ日常会話でも、この発声を行ってみてください。 コミュニケーションも上手くいき、いつのまにか声が響くようになっていますよ。