幸運をつかむのは自分一人だけの力ではない
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「大使閣下の料理人」というコミックがあります。
才能あるシェフ大沢公が、倉木ベトナム大使のもとで料理人を務め、帰国してからは、倉木の直属料理人として国際政治の舞台で腕を振るうという話しで、2006年まで「モーニング」で連載されていました。
一見、軽いタッチの可愛らしい絵なのですが、人間関係が深く描かれており、骨太で読み応えのある内容でした。
「大使閣下の料理人」を読んだときから、大使公邸の料理人は大変な仕事だということを知りました。
日本経済新聞の8月7日心の玉手箱にて、あの「オテル・ドゥ・ミクニ」の三国 清三シェフが、師匠であるフレンチの神様、村上 信夫氏に見込まれ、20歳という若さでスイス・ジュネーブにある軍縮会議日本政府代表部の料理長に推薦されたときのことが書かれていました。
・・・・・(以下引用)・・・・・
代表部には約4年勤めた。辞める際、大使夫人から「初めはあなたの年齢やキャリアから料理長就任に反対したが、村上さんに『私を信用して連れていってくれ』と頼まれ、断れなかった。」事実を明かされた。その上で「あなたは、そのことを決して忘れてはダメ」と。夫人の言いつけは、村上さんが亡くなられた今もしっかり守っている。
・・・・・(以上引用)・・・・・
三国さんも、一生懸命学んだけれど、それを村上さんはじっと見守っていたのだと思います。
見ている人は必ずいるのです。
そして、今の自分の幸運が、自分一人の力ではないことを知らなくてはならないと思います。
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