出したい声を出せないのはほとんどの人が声帯が閉じることを知らないから 声帯の簡単なトレーニング
声帯は鍛えられません。
声を出すために、声の調整をしている機関が声帯です。
声帯で頑張って声を出しておられる方がかなりいらっしゃいます。合唱などでは、実際にあまり歌っていなくても、すぐにノドが痛くなってしまう方を多く見てきました。
気合が入って、気持ちをこめようとすると、前のめりになってしまい、ついついノドに力が入ってしまうことは仕方のないことです。
声帯は、力むところではありません。
ただ、今まで声帯にストレスをかけながら発声していたのに、いきなり声帯には力を込めないで発声しましょう、と言われても突然変えられるものではありません。よほど訓練をしてい人は別として「私の声帯は今このように動いているな」と意識して発声したり話したりできる人は、ほとんどいないでしょう。
楽器の音色をコントロールするのと同じように、声帯がどのように働いているかが分かるようになれば、思い通りの声を出せたり、ノドのトラブルを起こしにくくなると思います。
声帯は、二枚一対の襞でできています。普段は開いている声帯が、発声のときに閉じて、肺から送り出された空気がその間を通過し振動で音が出ます。
声帯自体は鍛えられませんから、声帯がどのように閉じられているか、調整できるようになることが、自分の思い通りの声を出すための第1歩です。
そのためには、最小限のエネルギーで発声することを声帯に覚えさせるトレーニングを行います。
まず第一は「開いている声帯を閉じて音を出すタイミングを覚えさせる」トレーニングです。
「こんなことはいつもやっているよ」と思われますが、普通の人は「なんとなく」声を出しています。この「なんとく出てしまった」「なぜこう出たのか分からない」というのでは、いつまでたっても声のコントロールはできません。このトレーニングをすると、声帯とは意外に思い通りにならないものだということが分かります。そして、常に意識していないと感覚は鈍ります。そのため、発声のタイミングを意識してコントロールすることを覚えさせることは、私自身も常に行っています。
★★声帯を閉鎖するためのトレーニング★★
1、口を開けて息をすう
2、h~と息をはく
ポイント:冷たい手を温めるときのような息で
3、h~と息をはきながら「あ~」という母音につなげていく。
ポイント:ここからが肝心。h~→なんとなく「あ」が混じる→「あ~~」となり、なんとなく「あ」が混じるあたりで「声帯が閉じた」と意識すること。普段意識できない「声帯が閉じる感覚を覚えさせることができます。
4、「あ~~」とのばす
ポイント:できるだけ普段話すときくらいの声量と声質で、さらに明るく軽い音にする。
回数:1~4を10セット
追加:歌系の方はさらに様々音の高さでおこなうと良いでしょう。
このトレーニングは簡単なようですが、繰り返すと確実に声帯が閉じる感覚を声帯に覚えさせることができます。
まずここがわかっていないと、難しいトレーニングをしてもなかなか上達しないものです。