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一流の定義 一流の人は自分を一流だとは言わない

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よく「一流ホテルに泊まった」とか「彼は一流好みだ」、「一流を目指せ」などと言われます。
 
音楽の演奏でも「一流の演奏」と言われるのは、第一級とか、どこに行っても通用するもの、などの意味が含まれるのではないでしょうか。
 
作家の林真理子さんが著書「野心のすすめ」に一流と二流三流の違いについて書かれていました。

     ・・・・・(以下引用)・・・・・
 
三流仲間は自分を出し抜いたりせずに、ずっと三流のままでいてくれるという安心感。周りはぼんやりしていてプレッシャーもないし、とにかくラクですから居心地が良い。三流の世界は人をそのまま三流に引き止めておこうとするやさしい誘惑に満ちているのです。(中略)
糸井(重里)さんや中畑貴志さんクラスの人って、まぶしいほどの一流オーラが出ている。毎日が刺激的で、信じられないほど楽しかった。こうして一流の面白い人たちに出会うと良いことは、自分もその一流の仲間に入りたい、この面白い人たちと一緒のところにずっといたい、と強く思うようになることです。広告業界というのは、一流二流っていうのがとてもわかりやすかった。
 
     ・・・・・(以上引用)・・・・・

林さん独特の語り口調で、一流を表現されていました。
 
林さんが偉いのは、ただ一流に憧れただけではなかった。文章修行をし、ちゃんと努力して成功を手にしているのです。エッセイは、気分に任せて書いているようでいて、全体の構成力があり、言葉の切れ味が鋭く、彼女こそ一流の人だと思います。
 
一流とは、第一級の安心感もあるのですが、緩い居心地のよさというのはないと思います。見た目は優雅でも、内面的にはいつもきちんとした下着をつけているような、そんな感じがします。
 
それでは、音楽で言う一流とは何か?
どうしたら一流になれるのか?
 
大事なのは、どれだけ一流を見ているか?ということです。
一流を知らなければ、そこに到達することもできません。
例えば、一流のプレゼンをみていなければ、どのレベルが一流なのかもわかりません。
一流を知ること、そして、できるだけ早い時期に一流に触れること、というのが一流を目指すためには必要なことだと思いました。
 
私がお仕事をさせていただいていた指揮者のY先生は、いつも一流についてこう言っていました。
 
「一流とは、一つのことをとことんまで追求し、その人でなくてはならないという領域まで到達したことを言う。芸術でいうと『一つの流れ』と書いて一流。そうなると他の人は真似できない。」
 
「だからベートーヴェンやモーツァルトは一流である」
 
そして、「やるなら一流を目指せ」というY先生の力強い言葉がまだ耳に残っています。
 
ただし、一流の人は「オレは一流だ」とは言いません。一流かどうかとは他人が評価するものだからです。
一流なのか?と詮索したり考える前に、自分がやるべきことを追求してみたい。
面白いと思ったり、人に喜んでもらうのが嬉しかったりしながら、夢中でやっていくうちに、いつか自分にしか出来ない領域にいけるといいなあと思っています。

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