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伝わるボイトレ 話しに感情を入れる簡単な方法

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最近、ビジネスボイストレーニングの講演でよく受ける質問があります。
 
「話していて、感情が入らないのですが、どうすればよいでしょうか?」
 
これは、個人レッスンをしていても感じることです。
ボイストレーニングをして、声を良くする発声方法を行うと、やることがたくさんあって、慣れないうちは「あれもやらなきゃ」「これもやらなきゃ」とメソッドに気が行ってしまい、気がつくと声は良くなっているけど一本調子になっている・・・というのはよくあることです。
 
一生懸命トレーニングをして声が良くなっても感情が入らない、というのは、皆さん共通の悩みのようです。
 
私が、なぜボイストレーニングをしたかという、根本的な理由は「自分の思いや気持ちを伝えたいから」というところにあります。
 
「この思いを伝えたい」「もっと伝えたい」。でも「声がよくないので伝わらない」というもどかしい思いをつねに持っていました。
しかし、やはり最初のうちは、それこそ、やることがいっぱいで、技術に足をとらわれてしまい、無表情な表現になっていたりしていました。
しかし、トレーニングを重ねるうちに、技術が消化できるようになってくると声に気持ちが乗るようになり、感情が表現しやすくなってきました。
 
だから、質問の「感情が入らない」と悩んでいる時点で、すでに感情表現できるという下地は出来ています。
 
感情が入らない主な原因としては、まだトレーニングのメソッドや技術が消化できていない段階。私は、レッスンの受講生の方が、最初のうち感情が入らなかったとしても、気にしないようにしています。基本が身についてくれば、いずれ表現できるようになってくるからです。
 
発声が少し出来てきた方に対して、感情を入れるヒントの一つに「息」があります。
 
感情を息に込めるのです。
 
具体的に言うと、感情をいれたい、これだけは伝えたいと思ったら、その大事な言葉の子音や母音に「感情の息」を込める。
 
例えば、「本当にそうですね!」
 
この場合、本当の「ほ」がポイント。
[ho]の[h]を少し長めに「h~~」と息を流しましょう。
そうすると、「h~本当に」となりますね。
聞くと、「本当にそうだ!」と心から思っているように聞こえます。
たくさんの人前でしたら、少し大袈裟かな?と思うくらいに20%くらい割りまして、デフォルメをきかせて表現したほうが、しっかりと伝わります。
 
「素晴らしいですね!」も「s~素晴らしいですね!」となります。
「ああ!」と母音で始まる場合、これも、「h~ああ!」と母音の前に息を流してからはじめると伝わりやすくなります。
 
やろうと思って「失敗したらどうしよう」と思いがちですが、このとき、必ず横隔膜を抜かないことが実行の条件です。
横隔膜が抜けた状態だと、息の流れが聞こえ難いからです。
 
横隔膜をしっかり使って息に感情を入れることが、伝わる感情表現のヒントです。
 

今日は、簡単な横隔膜のトレーニングをご紹介します。

★★横隔膜トレーニング・ブレス★★
 
1、肋骨のすぐ下あたりに手を当てる
 
2、顎を下げて口を開け、思い切り息を吸う
 
ポイント:肩が上がらないように。お腹が風船のように張る感じを手で確認すること。
 
3、口を閉じ、唇に針一本通るくらいの隙間を開けて頬と鼻の下がパンパンにふくらましながら5秒息をはき、6秒目に当てた手でお腹をグイッと押して止める。(なれたら手を使わなくても止められるようになります)
 
ポイント:頬と鼻の下がリスがエサを口に入れているようにパンパンにふくらませる。ここが遠慮がちになっては効果がありません。口の前にティッシューをかざすと地面と平行になびくくらいの呼気です。お腹はできるだけ張った状態を維持します。
 
4、再び口を開けて2から繰り返す。

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